第2章 悪戯エメラルド【A×S×?】
カーテンが閉まっている薄暗い部屋の中で
何やら二人が話しているのが聞こえるけど
机がいっぱいで…姿は見えなくて。
「翔ちゃん…エロい後ろが、丸見え~♪」
「ああぁ…雅紀…見ないでぇ…」
…ええぇっ!?
唐突に聞こえた衝撃的な二人の声に
思わず扉を静かに閉めてしまった。
口に手を当てて
セリフを頭の中で繰り返す。
今のって……今のって、さ……っ
どう考えても
コトに及ぼうとしている感じだよな…っ?
いったん廊下に出て、静かに佇む
同じ部屋のもう一つのドアをジッと見つめる。
たぶんあそこからなら…全てが見える。
どうする……?
…どうするっ?
ギュッと目を閉じて考えて。
でも…考えても
綺麗な答えなんか直ぐには出なくて。
たぶん…見ちゃいけない……
心の奥の方から湧き上がる
正しい気持ちはそう言っているのに
それには
わざと気づかないフリをしながら
俺は本能に突き動かされるように
吸い寄せられるように
その扉に近づいて…手をかけた。
ひざまずいて息を殺して
もう一度重たい2枚目の扉をグッと押すと
「…雅紀…欲しい…もう…イレて♡」
「…イクよ❤翔ちゃん…愛してる…」
信じられない言葉と光景が
飛び込んできた。
10cm開けた扉のほぼ正面…
窓際のカーペットの上で
アヤシくうごめく二人…
下半身を剥き出しにした相葉くんが
大きく開いた翔くんの脚を抱え込んで
今まさに挿入しようとしているところで。
俺は漏れそうになる声を抑えようと
必死に手を口に押し当てる。
嘘…でしょ…?
付き合ってるんじゃないか疑惑を
確かめるために来たんだけれど
こんな……こんなこと……っ…