第10章 振りむいてよサファイア【O×S】
風呂場でなんとか、気持ちを切り替えて、
『大丈夫、大丈夫、傷ついてなんかない』
そう呪文のように唱えて、気合い入れて出たのに、
リビングで翔くんの困ったような顔を見たら、そんなの一気に萎んじゃったよ…
「あ、あの…大野さん、俺…」
「あのさ~、俺今日、妙に疲れちゃってさ…、もう寝た方がいい見たいだから…うん、だから…寝るわ!」
「え…」
「じゃ、おやすみ」
「……」
翔くんの顔を見ることが出来なくて、
俺は変に明るく一人で喋って、自分の部屋に来てしまった
困ってるような翔くんの顔を見てることなんか出来なくて…
我ながら臆病さに呆れるけど、逃げる様にドアを閉めた
本当なら、翔くんと、苔についていろいろ語り合って、お酒も飲んで、夜が更けるのも忘れて…
ってさ。
そんな夜になるはずだったのに…
疚しい気持ちなんか、これっぽちも…
……ほんの少ししか無かったのに
↑少しはあったんかーいっ///
久々に味わった失恋の切なさを抱いて、ベッドにダイブした
伝えた訳でもないのに玉砕しちゃった…
………翔くん…
久々に訪れた恋の予感だったのにな~
少しずつ…
ちょっとずつでいいから、彼に近付けたら…
近づけなくても、側であのキラキラの笑顔を見ていたかったのに…
それも、もう叶わぬ夢…
いばらの道なのは知ってるけどさ。
あんな顔されると、流石に凹み捲るよね……
………もう、悲しい(´;ω;`)
東京に帰ったら、久々にハッテン場にでも顔出してみようかな~
一夜だけの恋でもいいから、
淋しいこの気持ちを、慰めてくれる、マッチョの胸に…
…コンッ、コン…
えっ!?
慌てて顔を上げて、ドアの方を見た
空耳じゃない…よな?
……コンッ、コン…
「あの…大野さん…寝ましたか~?」
2回目のノックの後、
おずおずとした翔くんの小声が続いた