第10章 振りむいてよサファイア【O×S】
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俺も真面目だよなぁ…
ひとたび読み出すと
あっという間に没頭しちゃって
ハッと気がついて
慌ててさっきの目覚まし時計を引き寄せると
おぁっ!やば!…だいぶな時間!
大野さんを起こさなきゃ!
俺としたことが…まずった。
ちゃんと身なりもチェックしてあげないと
ハーパンとかで夕食会…行きそうだから(^ー^;)
財布とかスマホとか入れたリュックをもって
部屋を出てリビングに行くと
やっぱり大野さんの姿はなくて。
…コンコン。
そっとノックをしてみると
意外にも「はーい」という
しっかりした返事が返ってきた。
ガチャリとドアを開けると…またまた意外!
チノパンにポロシャツを着て
ベルトを締める大野さんがほにゃ…と笑った。
か……かっけぇぇー(ノ≧∀≦)ノ♡
Tシャツにハーパンという格好を
想像していただけに←してたんかーいw
その初めて見る爽やかな大野さんに
垂れ下がりそうな頬をなんとかリフトアップ…
「こんなんで…いいかな」
ちょっと照れくさそうに笑う瞳が
俺の血流を2倍速にしていく。
食事会はラフな格好で…と言われているから
「バッチリですっ!」
思わずウインクしながら親指を立てていた。
あぁ…大野さん…
この旅行に←旅行ではないw
俺を指名してくれて本当にありがとうございます…
だけどそのあと…
食事会で起きたちょっとしたコトから
とんでもない展開になっていく。
食事会を終えて
コテージに帰ってきた大野さんは
…すこぶる機嫌が悪くて。
リビングのラブソファにドカッと座ったと思ったら
珍しく声を荒らげた。
「なんなんだよ、アイツら!」
腕をムスッと組んで…ぷんぷんのおこ。
それすらも可愛いなぁと横目で見つつ
ミニキッチンでコーヒーを淹れる準備をしながら
まぁ…あれは…怒るよな、と頷く。