第10章 振りむいてよサファイア【O×S】
【櫻井】
ゴクリと唾を飲み込んで…
しばし見つめ合って…
「どどどどーいたしましてっっ……?」
ササッと大野さんから離れた。
…え?……あれ?
なんで俺こんなこと言ってんだ?
大野さんが『ありがと』って……んん~?
いや……つか……その前に。
…ぇぇええええっっΣ(///□///)?
いま、俺……
ハ、ハグっ……ハ、ハ、ハグっ、ハグっ…されっ…
穏やかな顔してる大野さんを目の前にして
めっちゃ余裕のある鬼クールな微笑みをかましつつ
心の中は……
ヤバいヤバいヤバいヤバい!
何がどーなってんだよ~(///□///)!
教えてっ?
誰か教えてぇぇぇっ?
っていう最大級の愛の嵐が吹き荒れてて
それは…さっきの彼の股間の盛り上がりなんて
吹っ飛んでしまうほどの衝撃で。
いま俺は…大野さんの腕の中にいた。
…いたんだ…(〃ノωノ)……
「夕食会までもう一眠りするわ」と言って
大野さんが部屋から出ていったあとも
しばらくはドキドキが収まらなくて。
ふたつのベッドにとっ散らかした色んな物を
黙々と整理して片づけるという作業に没頭した。
なにか手を動かしていないと落ち着かないから…
さっきの…大野さんの…
匂いとか
腕の感触とか
頬に触れた…柔らかい髪、とか…
あ"ーーーーっ、もうっ(ノ≧∀≦)ノ♡
好きな人に抱き寄せられるという
唐突に降りてきたありえない幸せ…
もっとしっかりガッツリ
噛みしめればよかったよーう!
もったいなっ…(っω<`。)
散らかってた物を
ざっくりとスーツケースに戻すと
スーツを脱いで夕食用の洋服に着替えた。
それでもだいぶ余る時間…
大野さん…
あなた、なんてことをしてくれたんだ(◎-◎;)…
この胸のドキドキと股間のピキピキを
あと1時間以上どうしてくれんだ…
つか…
あのハグは…どういう意味……?
俺は仕方なく
明日の会議の資料を取り出してきて
ベッドに座っておとなしく読み始めた。