第10章 振りむいてよサファイア【O×S】
持ち物の説明をすることにすっかり心が向き、
ドヤ顔の翔くんは、滑らかに話し続ける
「それからぁ~…
あ、これは、大野さんが腕時計とかスマホを置いとくための布トレー…いつもその辺にほっぽらかしてるからですよ!
んで、これは電動足揉み機…
ブタさんで可愛いけど、結構できる奴なんですよ~、こいつ♡ちなみに、これは俺も使えるかな~♡っと思って…」
使えるかな~♡…って…さ
満足のいく説明を終え、微笑んだ翔くん…
顔の横に、ブタの足揉み機を持って俺の方を見ている
ど~ですか、お客さん!!
っていう顔は、さしずめ、何とかネットの敏腕セールスマンのようで…
翔くん……
君って、ホントに……
色んな気持ちが湧きあがって来て、
気が付いたら、ブタさんごと、
翔くんのことを抱き締めていた
「…おおの…さん?…」
驚く翔くん…
あ、つい、俺…
ノンケの彼を警戒させちゃったかも…
でも。
だけど、嬉しくって
ありがたくって、
んで、翔くんが可愛くって
気が付いたら気持ちが少し溢れ出してた
こんなことしたら、翔くんに嫌われちゃうかも…
そう思いながらも、抱き締めた背中の盛り上がった筋肉が素敵過ぎて…
俺は離れることが出来ずにいた
もう暫くだけ……
「……あの…大野さん…」
おずおずと聞こえた翔くんの困惑気味の声
漸く、魅力的な背中の筋肉を離した俺は、
色んな気持ちを込めて、翔くんを見つめて、
「ありがと」
と、そうひと言だけ言った
翔くんは、大きな瞳で俺の顔を見つめながら、
ゴクリッ…と、大きく喉を鳴らした
ああああ、やっぱ、翔くん…
好き、かも…(≧▽≦)
翔くんの部屋いっぱいに広がった様々なアイテムは、
彼への俺の気持ちを再確認させるのには
十分過ぎる量だった