第10章 振りむいてよサファイア【O×S】
【大野】
ベッドの上で、気持ちよくお昼寝していたのに、
遠くから聞こえてきたけたたましい音で現実に引き戻された
なんだろう…?
非常ベル…でもなさそうだし…
暫くするとその音は止んで、後は静かになった
なんだ…
気のせいか…
もう一回寝よう…
姿勢を変えて、再び眠りに入ろうとしたその時、
『…コン、コンッ…』
遠慮がちなノックの音
翔、くん…かな?
「は~い…どうぞ」
ベッドから起き上がったら、ドアを開け、困った顔した翔くんが、こそっと入って来た
「どしたの?」
「えっ?いや、あの…めざましが…」
「めざし?」
「ち、違いますって!目覚まし時計!
間違えて鳴らしちゃったから…」
あ~、さっきの音は目覚まし時計だったんだ(^^;火事じゃなくてよかった〜♪
「ああ、全然!大丈夫だよ」
「よかったぁ~」
ほっと胸を撫で下ろす翔くんは、まだなんか荷物を抱えている
「そっちは〜?」
「え?ああ、これは〜…あのぉ、大野さんの資料を整理しておくためのもので…」
「そっちは?」
「あ、これは、クッションです!長い時間の会議とか、腰のサポート用に…」
「俺の?」
ゆっくり頷く翔くん……
俺のこと考えて、こんなに……
「ちょっと、貸して♪」
俺は翔くんの気持ちが嬉しくて、彼の手からクッションを取ると、ベッドに置き、その上に寝転んで大きく伸びをした
ちょうど腰に硬めのクッションがフィットして…
…ああ♡…これ、いいかも♥️
全身を突っ張るように思いっきり伸びてから、翔くんを見ると、なんか赤くなっていた
んん??
「どしたの?」
「えぇ?あ、いや、な、なんでもないで、す…」
そう言いながら、翔くんの泳いだ視線が、一瞬俺の股間をロックオンした
あ……、
もしかして…