第10章 振りむいてよサファイア【O×S】
広い敷地内に点在するコテージが今回の宿泊場所。
隣の目を気にすることも無くゆっくりできる…
そこへの移動手段は環境に配慮した電気自動車だ
木漏れ日の中、俺と翔くんの一週間の住居へと誘う…
…ホントは『愛の巣』って言いたかったけど、
それはあまりにも妄想が飛躍し過ぎなので、止めた
「ここ、ですかぁ…」
電気自動車が止まったのは、2人で泊まるには勿体ないくらいの大きなコテージ…
「何かありましたらベルデスクをお呼びください」
一通り説明を終えて、ベルボーイは行ってしまった
それにしても…ちょっと…どうなんだろ?
なんだかすんごい豪華な気が…
大きなリビングには、薪をくべるタイプの本格的なストーブがある
今は暑苦しいだけだけど、冬はムード満点になるんだろうなぁ…
あ…その季節になったら翔くん誘って、もう一回プライベー…
「ちょっと、見学してきていいですか?」
「えっ?ああ…も、もちろんだよ」
水分の多い瞳をキラキラさせて、翔くんは各部屋を見学に行った
俺も、この春に新しくオープンしたこっち方には初めて泊まる
昔の恋人と来たときは、向こうの古い方の…
「大野さ~ん!!ちょっと、来てみてくださ~い」
「え~?なになに~??」
興奮気味の翔くんの声を頼りに廊下の突き辺りまでいくと、風呂場で翔くんが手招きしている
「大野さん!見てください!檜風呂…いい香り~♪」
ホントだ。
浴室全体に檜の香りが満ちていて…
かけ流しなんだな~
翔くんと入れたら…どんなにか…
「後で一緒に入ります?」
ぶぅーーーーっ//////
うっ、動けよ!心臓よっ///
俺がソッチって知らないからだろうけど、
翔くんの、無防備過ぎる発言と行動の数々、
心臓に悪いんだよね~
考えてみたら、一週間、
こんな可愛いイケメンBOYと一つ屋根の下、
襲ってしまいやしないかと、
心配になって来た
「大野さん、夕方まで時間あるんで、昼寝でもします?」
そうだな…
ここはいったん寝て、落ち着こうか…