第10章 振りむいてよサファイア【O×S】
【大野】
翔くんチョイスの弁当を食べ終わって
『苔の世界』を浮遊していたら
翔くんが遠慮がちに肩をつついてきて
軽井沢に着く前に今日のスケジュールを
確認をしておきたいと言ってきた。
翔くんは凄い段取りがいいというか、
スケジュール管理がいいから、
任せておけば完璧だし、間違いない
助手としては、最高の人材だ
頭の回転も早くて、瞬時に最良の選択をしていく…
所謂『出来る男』
それなのに
どこかちょっとだけピントがずれてることがあって…
「夕方からは、学会のメンバーで食事会があります!」
「ふ~ん…食事は?和食?」
「えっ!?和食…だったかな~?…えっと、それ、重要ですか?」
「いや、重要じゃないけど…気持ち的には中華なんだよね~」
俺の気まぐれなひとことに…
翔くんは、愕然とした顔で慌てて日程表を確認する
ふふふ…
そんなに焦ることでもないじゃん
分からないけど、違ったら、翌日は中華にしましょう♪
それでいいのに…
なんなら、どっちでしょうね~?
ってさ。
軽く受け流しとくことだってできるのに…
根っから真面目な翔くんは、
「ちょっと電話してきます!!」
と、大慌てで席を立って通路を歩いて行ってしまった
全く~(*^-^*)
そんな後姿も可愛いんだか…あ…
途中に座っていた二人組の女子が、翔くんに反応して目で追ってから盛り上がってる
翔くんってば(-_-;)目立ち過ぎだよ…
その二人組が、何をキャッキャと盛上っているのか聞き耳を立ててみたけど
残念ながら聞こえなかった
「大野さん…朗報です!」
携帯を振りかざしながら笑顔で戻って来た翔くんは、嬉しそうに息を弾ませてそう言った
「中華でした!!」
「ほんとに?…やった~♪…じゃあ、北京ダックあるかな~?」
「えっ…!?」
あ///
俺ったら、またしても、真面目ちゃんを困らせちゃったかな?
そうこうしているうちに、
新幹線のアナウンスは軽井沢の到着を告げた
早いな~(^^;