• テキストサイズ

Jewelry♢ボックス【気象系BL】

第9章 つんでれアクアマリン【A×O】


【SHO】

店の鍵を開けようとして、すでに開いていることに驚いた俺は、そのまま中に入った

「…ニノ…」
「あ、おはようございます、翔さん」
「ニノ…何でこんな早く~?」
「俺が早く来てちゃいけないですか~?」
「いや…そんなこと、ないけど…」

ニノは笑って、開店の準備を続けた


出掛ける前に、相葉ちゃんから電話があって、
智がまだ眠っているから、少し遅くなってもいいか?って…

眠ってるって…

全く。
夕べどんだけ疲れたんだよ…

「いいよ~、午前中休んでいいから、ゆっくり休ませてから寄こしてよ…」

そう言うと、相葉ちゃんは大袈裟に礼を言って電話を切った


「はあぁ~」

「何ため息ついてるんですか?」

「えっ?いや…」

ニノは可笑しそうに笑っている


いけねぇ~…うっかりため息ついちゃった


昨日、智の仕事を早く切り上げさせて、彼とのデートに送ったのは、他ならぬ自分なのに…

何を、今になって……


「翔さん、こっち終わりました!」
「おお、ありがと…じゃ、鉢に水やってくれる?」
「了解で~す♪」


………そう。
俺は智が好きだった

智が、俺のことを、好いていてくれるのも、何となく分かっていた

だけど……


なんだろうな~?
智がゲイだって知ってるがゆえに、俺…逆に尻込みしたんだ

『男同士』に、偏見はないけど、自分が…ってなると、妙に臆病になっちゃって…

智の気持ちに気付かない振りをしていた


でも、

『好き』……だったんだと思う

俺の中で、男女の仲というよりは、
穢してはいけない、守るべき大切な存在…


上手く言えないけど、そんなことだったのかもしれない…


あっという間に、相葉ちゃんに持ってかれちゃったけどな。


「翔さん…コーヒー入れました」

ぼんやりと顧客のファイルを眺める俺に、
ニノが声をかけてきた


/ 727ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp