第9章 つんでれアクアマリン【A×O】
「おお、ありがと…」
あ、うまっ///
熱いコーヒーの香りが俺の気持ちを癒してくれた
「なんで、今朝は早く来たんだよ~
いつも、ギリじゃん」
そう言って笑うと、ニノは、
「翔さん、泣いてるんじゃないかな~って思って」
と言った
「俺が?なんでだよ~」
動揺を悟られない様に、俺は笑って脚を組んだ
「まあ、元気出してやりましょ♪」
ニノは、コーヒーカップを傾けながらそう呟いた
…なんだよ、急に…
「大野、結局収まることろに収まった…って感じですかね~」
「…ああ…相葉ちゃんなら、きっと大丈夫だろう」
そう……
彼ならきっと、智のこと、幸せにしてくれる…
天真爛漫で、太陽みたいな彼なら…
智もきっと、素直に気持ちを出せるようになるかもしれないな…
そして俺は、変わっていく、そんな智のこと、
これからも近くで見守っていくんだ
……ずっと…変わらずに…
「翔さん」
「ん?」
「俺が幸せにしてやっても、いいですよ?」
「ふえっ??」
ニノが今まで見たこともない、菩薩のような微笑みで立ち上がり、ゆっくりと俺の前に歩いてきた
「実は臆病な、翔さん♡
…俺がずっとあなたを見ていたこと、気付いてくれなかったでしょ?」
「えっ!?…俺?」
「あなたは智を見てたから、俺は黙ってそれを見守ってた…」
ニノ……
「でももう、遠慮するの止めようかな、と…」
俺の前に立ったニノは、
ゆっくりと腰をかがめて、触れるか触れないかの、優しさで唇を重ねてきた
「…翔さん…好きです…」
「…ニノ……」
微笑む彼の肩に手を掛けると、
ニノはゆっくりと睫毛を伏せた
目の前にある、華のような唇に、
今度は俺の方からそっと触れた
智……
男ってさ。
そんなに、いいの?
………ニノに、慰めてもらうのも、
悪くないかも…
智……
幸せにしてもらえよ
そして、誰よりも、
幸せになれ
【 END 】