第9章 つんでれアクアマリン【A×O】
「うわ………」
「マジかよ……」
部屋の中に入って、まず俺たちを黙らせたのは、
目の前に広がる首都東京の夜景……
高層階にあるその部屋からは、
アラブの石油王の宝石箱の数万倍の輝きを放つ、
↑そいつの宝石箱、見たことあんのかよ~?
言葉では言い表せないくらいの眩さの夜景が広がっていた
窓辺まで、黙って歩いて行った俺たちは
しばしそのえもいわれぬ美しさに息をするのも忘れた
………
「……綺麗…」
そう呟く智くんの横顔を、そっと見つめると、
その瞳には、キラキラした数多の宝石が映り込んでいて…
そのとんでもない美しさに、俺は息をのんだ
………どの位たっただろう…
智くんはゆっくりと俺の方へ顔を向け、
「…見せてくれて、ありがとね…」
そう言った。
………なんて……
気が付いたら、彼の華奢な身体を胸の中に抱え込んでた
「……相葉ちゃん…」
「智くん、大好きだよ…」
「…うん、知ってる…」
「世界で一番…」
「それはどうかな~?」
「ホントのホント!」
「じゃ、証拠見せてよ」
「え??……証拠って…」
「俺を好きって、証明してみせて」
………証明…って…
「じゃあさ、こっから~…ここまで見える夜景、
ぜ~んぶ、智くんにあげるよ!!」
「………」
ダメか、こんなのじゃ…でも…どうすりゃ…
「ぶっ///」
「なっ///」
「今時、六本木のNo1ホストだって、そんな台詞吐かないよ~」
…やっぱ、こんなのダメかぁ…( ;∀;)
がっくり項垂れる俺に、智くんはそっと両腕を巻き付けて来た。
「さとし…くん…」
「でも、嬉しい…そんなこと言ってもらったこと、初めてだよ…ありがとね…」
「智くん!!」
俺は舞い上がるくらいに嬉しくて、
智くんを抱き締めて持ち上げた。