第9章 つんでれアクアマリン【A×O】
帽子を目深にかぶり、サングラスにマスク、という完全変装スタイルは、見ようによっては強盗犯にも見える訳で…
他の客や、レジのお姉さんにじろじろ見られたけど、
『相葉雅紀』だとはバレなかったようだ。
今度からは、ネットで買うことにしよう!
↑どんだけやる気やねん!!
そんなこんなで。
買ったものを鞄に忍ばせ、勝負おパンツを吟味していると、
智くんからLINEが入った。
『翔さんが、早く上がっていいいって言うから、今から向かいます』
え?…えっ??
ええええええ!!!
時計の針は、7時半前。
しょおちゃ~んヾ(≧▽≦)ノありがと過ぎる!
智くんと高級ホテルで、ゆっくりまったりできるじゃん♡
「今からって、事は~…あと20分くらいかな?」
大急ぎで勝負おパンツを履き、服を着替えてマンションの下へと降りた。
車で玄関のエントランスが見える場所まで移動し、
そこで智くんを待ち伏せることに。
↑行動が既に怪しい…
………なんだろ、このウキウキふわふわした気持ちは。
前の彼女と待ちあわせる時だって、
こんな気持ちにならなかった気がする。
あの角を曲がって智くんが、俺ん家に来るんだって…
そう思っただけでもう、嬉しくって嬉しくって♡
あああ、智くん、ホテル喜んでくれるかな~?
『こんなの、別に良かったのに…』
何て言って、少し拗ねるかも…( *´艸`)
それとも、
『こんな高いとこ、だから芸能人ってさ』
って嫌な顔されたらどうしよう~(;'∀')
『だけど俺、智くんのとこ大事にしたくて
だから、ハジメテの場所は、思い出に残る様な、そんな素敵な、特別な場所がよくって…そんで…』
コンコンッ…
「あ…」
「何こんなとこで一人で悶えてんの?」
「…さとし、くん…」
智くんを待ち伏せたはずが、先に気付かれて、俺の百面相を見られるっていう…(;_;)
「誰かに見られたら、変質者と思われるよ?」
そう言いながらも、智くんは当たり前の顔をして、助手席に乗り込んできた。