第9章 つんでれアクアマリン【A×O】
全力ダッシュで楽屋に戻った俺は、
早速スマホで都心にある『人気ホテル』を検索した。
何事かと、急いでついて来たマネージャーが、
「なにか、トラブルですか?」
と聞いた。
あ……そうだ!
彼女なら知ってるかも…
「ねえ、鈴木ちゃんってさ、旦那とデートの時、どんなホテル使ってたの~?お勧め教えて欲し…」
「はあああ?なっ、何言ってんですか?
それ、セクハラですからね~(・へ・)」
最近、年下の彼氏と入籍した彼女は、
年甲斐も無く←失礼だぞ!
真っ赤になって怒った。
後で聞いて分かったんだけど、
どうやら俺がお勧めのラブホを聞いたと思ったらしい。
誤解が解けた後、彼女から教えてもらった中の、所謂『超高級ホテル』を予約することが出来た。
「彼女と行くんですか~?」
鈴木ちゃんは心配そうな顔をしている。
「うん…あ、でも大丈夫だよ?カメラには気を付けるから」
下手っぴなウインクをして見せると、
鈴木ちゃんは増々不安げな顔をした。
ホテルを予約し、ウキウキの俺は、
この後の撮影で、三ツ矢さんから、
『急に色っぽくなった』と褒め捲られた。
智くんとのホテルでの『ハジメテ』を想像してるって訳でもないんだけどな~(^^;
まあ、ウキウキドキドキなのは否定しないけど…
予定よりも1時間ほど巻いて雑誌の撮影を終えた俺は、
マンションに戻って来た。
「くれぐれも撮られないでくださいね、面倒なんで」
鈴木ちゃんは、そう釘を刺して行ってしまった。
さてと。
腕時計は7時を指している。
智くんの上がりが9時の予定だから…っと。
俺は、マンションには戻らず、直ぐ近くのドラッグストアへと行き、『ハジメテ』に必要とされるグッズを買い揃えた。
空き時間に、ホテルだけじゃなく、
同性の性交渉←言い方が生々しい…(;^ω^)
に必要なのもを検索しておいた。
なんか、凄く勉強になったし…
恥ずかしかった(≧▽≦)
撮影で、俺の表情が色っぽくなったとしたら、
きっと理由はそれだ。