第9章 つんでれアクアマリン【A×O】
俺のことムギュって抱きしめたまま
相葉ちゃんが切なそうに呟く。
「ごめんね?…せっかくなのに…」
ぷっ( *^艸^)…せっかく、ってなんだよ…
眉毛を下げまくったワンコ顔が
めちゃめちゃ可愛くて。
「バカ…俺だってやだよ、こんなとこww」
「え、ホントに?」
「当たり前だろっ?俺だってハジメテは……」
…言いかけて。
なに言おうとしたんだよ…(* ̄∇ ̄)
かなり恥ずかしめなこと言おうとしたよな?俺…
「なになに?俺だってなんなの~?」
「なっ、なんでもない…っ」
「なんだよ~…教えてよぉ~…」
「やだ…」
嬉しそうに抱きしめ直す相葉ちゃんの腕に
甘く包まれながら…
コイツと一緒にいると
なんだか自分までピュアな人間になっちまう、なんて。
めっちゃ小っ恥ずかしいけど。
それも…悪くないかな、とか考えてる自分に
またクスクスが込み上げてきて。
そのことをこっそり楽しみながら
恋人になったキラキラ芸能人の…
いや、陽だまりポカポカ芸能人の頬を引き寄せて
あんま~い濃厚なキスをおみまいしてやった。
そのあと俺たちは
翔さんの厚意で早めのランチに行かせてもらって
自分で運転して来たという相葉ちゃんの車で
裏路地にある穴場のレストランに行って食事をした。
午後から仕事だという相葉ちゃんは
時間を惜しむかのように楽しそうに喋りまくって
それから俺を『アクアマリン』の前まで送ってくれて…
「じゃあ今夜…待ってるからね?」
うるうるした瞳で
助手席の俺を熱く見つめた。
相葉ちゃんは今日は
今から雑誌の撮影が2本あるだけ、とかで
仕事を終えた俺が
相葉ちゃんちに行くことになってて。
「別に…待ってなくていいから」
ホントはそんなこと思ってないくせに
ついそんなツンツンした言い方になっちまう自分が
悲しかったりするけど…
照れくさくて急いで降りた俺のことを
開いた窓から嬉しそうに見つめて
相葉ちゃんはとびきりの優しい顔で笑った。
「仕事…頑張ってね♪」
「…あ、相葉ちゃん…も…っ…」
遠ざかる車が角を曲がるまで見送りながら
ようやく…じんわりと…
あの心優しいオトコと恋人になったんだという
なんとも言えない嬉しい気持ちが
ふるふると込み上げてくるのを感じていた。