第9章 つんでれアクアマリン【A×O】
初めて見る彼の、少しはにかんだような笑顔に、俺は息が止まりそうになる…
いや、なんなら、少し止まってた。
「俺、芸能人そのものが嫌いだった…
もちろん、今だって、好きじゃない
我が物顔だし、偉そうだし、上からだし…」
↑今まで、ろくでもない芸能人にしか会ってなかったのね〜(;_;)
「…さとしくん…」
「自分勝手で、地球は自分中心に回ってる〜、くらいに思ってやがる!」
智くん…そんなに……芸能人が……
俺はもう、泣きそうだった。
…だけど……
「でもね。相葉雅紀は違ってた。
俺が今まで見た芸能人の中で、
誰よりも芸能人らしくなくって…」
……え…さ、智くん…それは…?
彼は、そこで大きく息を吸い込んで
そして吐き出した。
その後、
俺が見たこともない、優しい笑顔で言ったんだ。
「俺は、芸能人の相葉ちゃんが嫌いだって、そう自分に言い聞かせてたし、そう思ってたけど…
…でもほんとは、最初から、惹かれてたんだ、きっと。
いつも変わらないお日様みたいな笑顔と、
馬鹿正直な言葉と、その全てに……」
話しながら、
ゆっくりと智くんが近づいてくる…
一歩一歩、
俺の側に……
「俺のこと、好きだって…
ゲイじゃないのに、俺のこと、
興味じゃなくて、純粋に好きだって…
相葉ちゃんの目は、いつもそう言ってくれてた…」
「智くん!!」
「…違った?」
俺は首をブンブン左右に振った。
振りすぎて、脳震盪になるんじゃないかって位に。
「…俺も…、違うな。
俺は、相葉雅紀のことが…好きです…」
目の前まで近付いて来ていた智くんが、
爪先立って俺の肩に両手を掛け、
そっと唇を押し付けた
………これは夢?
俺、智くんが好きすぎて、
幻が見えてるの??
馬鹿みたいに突っ立ったままの俺のせいで、
智くんがよろけて、唇が離れそうになったから、
俺は慌てて、その腰を抱き寄せた。
ゆっ、ゆっ、ゆっ…
夢じゃなーーーーーっい//////