第9章 つんでれアクアマリン【A×O】
【MASAKI】
真っ直ぐに……
智くんが俺を見つめている
なんて澄んでて、綺麗な目なんだろう…
こんなに真っ正面で向き合って、
じっと見つめられたことって
……なかったな…
いつだって、立ち去ろうとするのを呼び止めて、
そんで、必死に話しかけるから、
智くんは半分だけ俺に身体を向けていて……
そして、訝しげな上目遣いで、
睨み付けるように俺を見てて……
そして俺は、思っているままを、
素直に言葉に乗せる。
でもさ。
俺、そういうときってからっきしダメで…
気持ちがどんどん迸るように溢れちゃって
言葉は逆に空回りしちゃうんだ…
『ちゃんと話したいことって…それだけすか?』
智くんが、俺を見つめてそう言った。
そうだ。
謝罪したら、
ごめんね、って言ったら、
智くんがどう言うかよりも、
俺……
ちゃんと伝えたかったんだ。
だから……
「もうひとつ、大切な話……聞いてくれる?」
「…うん…」
智くんの真っ直ぐな眼差しを受け止め、
俺の喉がゴクリッと大きく鳴った。
そうだよ!!
男らしく!
「俺は…俺は…」
決めるときは、決める!!
「大野智が好きです」
言った!!
言ったよ、母ちゃん!!
俺ついに、言ったった!!
「…相葉、ちゃん……」
「夕べの…その…キスも…俺、どうしても押さえられなくなっちゃって…あ、押さえられなくなったっていうのは、好きだ、っていう気持ちで…んで…気がついたら…あんなこと、してて…」
「……してるの?」
「だから、その……えっ!?」
「…相葉雅紀は、俺に不意打ちみたいなキスしたこと…後悔してるの?」
……後悔?
後悔なんか………してるわけ無い。
だって、俺……
「……俺は……かったよ…」
「えっ!?」
↑注:耳が遠いわけではない
「だからぁ〜…俺は、嬉しかったよ」
……!!(゜ロ゜ノ)ノ
智くんが、俺を見つめて、
ほんの少しだけ、笑った。