第9章 つんでれアクアマリン【A×O】
スマホを耳に当てたまま、
部屋の中をぐるぐる回る俺は、もう動物園のクマと一緒な訳で…
↑クマよりひどいかと…(^^;
その時。
「……はい…」
あ、出た!!良かった~♡♡
「…相葉ちゃん?…どうしたの?…つか、今何時?」
「翔ちゃん!!俺さ~、えっ?あ、えっと…1:25、かな?」
「真夜中じゃん///俺さっき寝たとこなんだけど…」
不機嫌な翔ちゃんに、何度もごめんねをしてから、俺はさっきまでの出来事を必死に伝えた。
翔ちゃんは黙って聞いてくれていたけど、
……寝てない、よね?
「あの…翔ちゃん、俺どうしたらいいかな?」
「明日何時から仕事?」
「明日は、午後からだけど…」
「じゃあさ、朝一でシャンプーにおいでよ。智を付けるから」
でも、俺…もう指名しないでって…
ニノの方を…って
そう言われちゃってるから…
「じゃあ、このままでいい訳~?
智に謝りたいんでしょ!」
そうだった。ちゃんとごめんって…言わなきゃ…
「でしょ?だったら、おいで…10時のオープン前がいいかな?9時半、来れる??」
「来れる来れる!!じゃなくて、行きます!」
翔ちゃんは、電話の向こうで可笑しそうにクスクス笑ってから、
「好きだって、ちゃんと伝えてごらん♡」
と、そう言った。
「………うん…」
「大丈夫!いつもの相葉ちゃんで。
しっかり気持ち伝えれば、届くと思うよ」
……いつもの、俺で…
気持ちを……伝える…
ゴクンッと、思わずつばを飲み込むと、
翔ちゃんは笑って『頑張れ!』と言ってくれた。
……頑張れるかどうかはわからないけど。
ちゃんと謝りたい。
そんで、気持ちも、伝えたい…
例え、木っ端微塵に散り去るとしても…
…伝えたい思いがあるから……
「じゃ、9時半に行きます」
翔ちゃんの眠りを妨げたことを、深くお詫びして、
スマホを置いた。
決戦の時まで、後、7時間半に迫っていた。