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Jewelry♢ボックス【気象系BL】

第9章 つんでれアクアマリン【A×O】



突き止めたいんだけど
突き止めちゃいけないような…

甘くて柔らかいナニカが
胸の奥でもぞもぞと動く。

それの答えを…俺は知っている。

それを認めてしまうことが
きっとすごく…簡単なことも。

だけど…

だけど、違う。

俺が好きなのは…

ずっとずっと
憧れ続けてきたのは…

翔さん、なんだから…っ…



キスを解ホドいて
俺のことを抱きしめ直そうとしたタイミングで

俺は相葉ちゃんのことを
わざと無造作に突っぱねた。

「…っ……帰るっ……」

相葉ちゃんの顔を見ることなく
急いでリビングに戻ってバッグを引っ掴む。

「智くんっ…ごめん!俺…っ…」

やはり急いでリビングに入ってきた相葉ちゃんが
俺の肩に手をかけようとするのをサッとかわして。

「相葉さんっ…次からシャンプーは…っ…
二宮を…指名してください……失礼しますっ…」

「えっ?…ちょ、ちょっと智くんっ…」

わざと『相葉さん』って呼んで
丁寧語を使って視線も合わせないようにして

追ってこようとする相葉ちゃんから
必死に逃れるようにして

俺は部屋を飛び出した。

運よく近くにいたエレベーターがすぐに来て
頭がグチャグチャなままの俺を1階に運んでくれて…


なんだよ…

なんでこんなことになってんだよ…


とっくに日付の変わってる恵比寿の街を
フラフラと駅方面に向かって歩きながら

俺は怒涛のこの夜のことを
グルグルしてる頭の中で
必死に整理しようとしてた。

キラキラした街を歩くことが

キラキラしたアイツの胸の中で
唐突に奪われたキスを思い出させて…



違う違う…っ…

芸能人なんて
目の前のお楽しみを貪るだけの人種だろ?
↑だからそーじゃないって…(^ー^;)ww

アイツだってっ…
俺がゲイだからっ…

ちょっと味見したくなっただけだ…っ…



忘れよう。
忘れなきゃ。
忘れてやる。

早く帰って
ソッコーで寝よう。



駅近くの大通りで
タクシーを捕まえて乗り込んだ。



…忘れ…よう………


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