第9章 つんでれアクアマリン【A×O】
【SATOSHI】
アイツさ~…(。ー`ωー)
ホントに腹立つ。
『記念すべき初めてのお客は、俺っていうの…どう?』
新人のキミのカットデビューは
有名芸能人の相葉雅紀で飾らせてあげるよ!
…ってか?
はいはい
おありがとうございますぅ~…(。ー`ωー)
でも
デビューはとっくにしてるっつの!
そんなお慈悲をいただかなくても
俺自身のチカラでちゃんと一人前の
美容師になってやるから…心配すんなや。
マジで…胸クソ悪…
何様なんだよ…
あぁ…芸能人様か…(。ー`ωー)
苦々しい気持ちのまま店内に戻ると
「智…9番入って?」
オシャレなお姉さんの髪をいじりながら
翔さんがニッコリ微笑んだ。
9番…てのは
昼の休憩に入るっていうスタッフ用語。
なんだかムシャクシャしてて
無言でビシバシ働きたい気分だったけど
…仕方ない。
俺は小さく会釈して
『staff only』の部屋のドアを開けた。
コーヒーメーカーからコーヒーを注いで
ドカッと椅子に腰かける。
「はぁぁぁ……」
なんだかやけに大きなため息つきながら
朝コンビニで買ってきたカレーパンの袋を破ると
ドアをノックする音がして
開いた扉から……二宮さんが入ってきた。
……(。ー`ωー)
俺…この人、苦手。
「…れさまっす」
仕方なく…小声で挨拶。
「お前さ~……」
二宮さんも俺のこと…
気に食わないんだろうな、ってのはわかる。
苦々しい顔して
椅子にふんぞり返ってるし。
「なんでそんなに無愛想なわけ?
『考えときます』って…どんなんだよ…」
「二宮さんはなんでそんなに
愛想…振りまきまくってんすか?」
俺の間髪入れない逆質問に
二宮さんはニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「誰にでも、って訳じゃねーけど?」
そーだろーよ…(。ー`ωー)
打算で出来てるような
計算し尽くされた言動を
毎日毎日見せつけられてるからな…