第9章 つんでれアクアマリン【A×O】
「失礼します」
わざと無機質に業務用の挨拶をして
ドアをするりと開けるけど
中から返事はなくて。
見ると
微妙に倒した椅子の上で
相葉雅紀は寝息を立てていた。
あんだよ…(。ー`ωー)
さすが芸能人サマサマだな…
ブランケットを所望しておいて…爆睡かよ。
こんな真昼間に有名ヘアサロンで昼寝なんて
ホント…いいご身分だよなー…
俺はまた小さなため息をついて
一歩近づく。
あれ……
意外にも…
寝顔はなんか…可愛いじゃん。
いつも偉そうな笑みを浮かべながら
翔さんとペラペラ喋ってる有名人の顔ではなく
↑完全に嫉妬と逆恨み丸出し…ww
ふわりと閉じた瞼が優しさを醸し出して…
少し微笑んでるように見える口元が
寝顔を無邪気な感じに見せている。
へぇぇ…さすがは役者だな(いちおう)。
寝ている時でも演技してんのか。
↑なんとかして悪者にしたいらしいww
……なんて。
何考えてんだか(。ー`ωー)。
つまんない嫉妬なんかして
なんか…情けねぇな…
三度ミタビため息をついて
ブランケットを拡げた時。
「何してんの?」
後ろで冷ややかな声がした。
この、強いコロンの匂いは…二宮さんか。
「かけないなら貸して?…俺がやる」
そう言った時にはもう
二宮さんは俺の腕からブランケットを奪っていて。
ニヤリと笑ってから相葉雅紀に近づき
そっと…ではなく
バサリと無造作にブランケットをかけた。
「んん…」
相葉雅紀がピクリと動いて
うっすらと目を開ける。
「相葉さん…二宮です。
ブランケットをお持ちしました。
もう少し休んでいかれますか~?」
「んんっ、ふぅ~んっ……
あぁ、ニノちゃんか…ありがとね」
相葉雅紀は軽く伸びをしてから
俳優スマイルで二宮さんに微笑みかけた。
ったく…(。ー`ωー)よくやるよ。
有名人に気に入られて
どーしようってのかね~…
はぁ~…やだやだこういうの。
マジでめんどくさ…(。ー`ωー)
サッサと部屋を出ようと
二人に背を向けたとき。
「あ…きみ(*゚∀゚*)!…え、と…智くん!」
「…え(;一_一)…」
嬉しそうな相葉雅紀の声と
めっちゃ不機嫌そうな二宮さんの声が
同時に背中に突き刺さった。