第8章 麗しのタンザナイト【M×O】
【潤】
「大分早く着いちゃいましたね〜」
「だなぁ…」
「じゃあ、腹ごしらえしとく〜?」
「え〜?腹減ってねーよ(^-^;」
俺たち3人は、ニノくんと翔さんの見送りのために、成田空港に来ていた。
今日…
昼の便でニノくんはロンドンへ飛ぶ。
翔さんの仕事次第らしいけど、
少なくとも5年は帰って来ないらしく…
俺自身は付き合いは短かったけど、
智は2年、雅紀くんも1年半の付き合いだったらしい。
付き合いって言っても、
ちょっと人には話せないくらい『特殊な関係』だから、
ふたりは特に思うところがあるんだろう
特に雅紀くんは……
「はあ~、結構いけたね?空港のラーメンも」
嬉しそうに燥ぐ雅紀くんに、
しっかり朝食を済ませてきた俺と智は、
いささか呆れ気味に、顔を見合わせた。
まあ、ラーメンはホントに
美味しかったけどね~
気になっているのは、
雅紀くんの変なテンション…
いつも元気だけど、今日は異常に明るくて…
無理してるのはありありな訳で。
見ようによっては痛々しくも見える訳で…
その時。
「雅紀~!大野さ~ん!潤く~ん!」
声のした方を見ると、
ニノくんが手を振りながら走って来るのが見えた。
「わざわざ来てくれたの?」
笑顔のニノくんに、雅紀くんも笑顔で
「ニノの旅立ちの日だからね!」
そう答えた。
「旅立ちってさ…大袈裟なんだよね~」
言葉とは裏腹に、ニノくんはふんわりと笑った。
「いろいろとお世話になりました」
ニノくんの後ろからそう言ったのは……
この人が…
「翔くん、久しぶりだね」
「智くん、元気だった?
ああ、まあ元気だろうね~…若い恋人作るくらいだから♪」
爽やかな笑顔の翔さんが俺を見た。
「潤くん…だね?」
「あ、は、はい!!初めましてっ///」
「ふふふ、ホントに、イケメンくんだ~」
「でしょ?」
ニノくんはそう言って翔さんに腕を絡めた。