第8章 麗しのタンザナイト【M×O】
翌朝、まだ静かなリビングに入っていくと、
「わっ!!びっくりした~、起きてたんだ」
「はい!ニノくん、おはよう~、早いね」
「潤くんこそ!良く起きられたね~…あんな…」
冷やかしたつもりで言ったのに、
最後の方は通じなかったのかスルーされた。
「みんなの朝ご飯作らないといけないし、それに…」
んっ??
なに?それに…?なんでそこで赤くなった?
「それに…智さん、疲れてるから、なんか、食べやすいものを作ってあげようと思って…」
疲れてるって…あなたいったい、何回やったんだよ?
俺は、全く疲れていないような青年の横顔を、じっと見つめた。
「な、何ですか?なんかついてます~?」
「いや…何も~♪」
俺の探るような上目遣いに、潤くんは増々赤くなった。
か~わい♡
「何回ヤッタの?」
「ふえっ??」
「夕べは何回ヤッタんだよ~?あのおじさんと」
俺は追及の手を休めず、
やっとこさ、一線越えた青年をじっと見つめた。
「5回…」
「ごっ、ごぉ~かぁ~いぃ~??」
「あ、いや、えっと、6回かな?…つ~か、途中から、よく覚えてなくって…その~…」
真っ赤になって俯いているけどあなた…
そら〜おじさん、
当分起きて来られないぜ(*´▽`*)
気の毒に…
潤くんの絶倫っぷりに、感心しつつ、
突かれ捲って、ヒィ~ヒィ~いってるあの人を想像して、
俺は秘かに笑を噛み殺した。
「あの、夕べは、ホントにありがとう!!
智さんと、結ばれるきっかけを作ってもらって…」
「え~?ああ、まあね…良かったね、やっとあのおじさん、動いてくれて…」
「…ニノくんと雅紀くんのお陰だよ…
本当に感謝してます!!」
「ふあぁ~あぁ…おはよぉ~」
そこへ雅紀も起きて来た。
「今日は中華粥です!ちょっと待っててくださいね~
あ、先に、コーヒー入れます!!」
いそいそと、甲斐甲斐しく動き回る潤くんを見て、
俺と雅紀は顔を見合わせた。