第8章 麗しのタンザナイト【M×O】
『…ぁっ…ぁんっ…ゃっ、んぁっ…』
『あぁっ…いぃよっ、じゅっ…もっと…』
『あぁっ、もっと激しくして欲しいのっ…』
………(´・ω・`)(。-`ω-)
ネコが甘えるような声が漏れてくるリビング…
まあ、ドア開けっぱなしにしてるからなのもあるんだろうけど。
あのおじさんも、よくやるよ~
今まで我慢してた分、爆発したんだろうな~
それにしても…
「潤くんって、絶倫だったのな~(^^;」
「お前といい勝負だよ!」
ふたりが一戦交えて、幸せオーラ振りまきながら出てきたら、冷やかしてやろうと思って待ち構えていた俺たちは、
すっかり忘れ去られていた。
帰ろうか?何て言ってみたけど、終電もないし。
その時、俺のスマホが着信を告げ震えた。
「翔さん!!」
『ニノ?今、大野くんところ?』
「そだよ」
『……仕事中?』
「いや、今日はもう…翔さん、どこ?」
『ああ、俺今帰って来たんだ~』
えっ!?嘘?
帰って来るの、明後日のはずじゃ…
『急にこっちで片付けなきゃいけない案件が出来てさ。
こっちには週末までいて、また行くよ』
翔さんは、海外赴任の下準備なんかで、
ずっとロンドンに行っていた。
帰って来たから、直ぐにでも会いたい…
でも……
『どうする?帰って来るなら迎えに行くけど』
「うん…帰国したばっかりで疲れてるでしょ?明日の朝、自力で帰るよ」
『分かった。明日は午後から出るから、帰ったら起こしてよ~』
「うん、分かった!」
『じゃ、おやすみ』
「おやすみ…あ、翔さん…」
『ん~?』
「…愛してるよ…」
『ふふ…愛してる♡』
「帰らなくていいの?」
雅紀が、抑揚のない声でそう言った。
「うん、いいんだ~今夜は休んだ方がいいし…それに…」
「……」
「何でも無い!俺たちももう、寝よっか?」
「あ、うん」
俺が帰ったら、雅紀が一人になっちゃうもん…
今夜の、雅紀を一人で置いていくなんて、
そんなことできないよ…