第8章 麗しのタンザナイト【M×O】
「問題なのは、潤くんが俺を1㎜も恋愛の対象として見てないってことなんだ…」
1㎜もって、当たり前でしょ~
智さんはノーマルだって思ってたんだから!
「だから俺、夜は枕を抱いて、こっそり泣いてたよ~」
「そんな…言ってくれればよかったのに…」
「言ったら!好きだって言ったら、潤くん、
俺の気持ち…受け入れてくれたの??」
それは……
どうかな??
智さんの事は、大大大好きだけど、
そういう対象として…
俺が…智さんに…抱かれ…
「ああああああああ///」
「なっ、なんすかっ??」
「俺、重要な事、話してなかった!!」
えええ??
ゲイだってカミングアウトする以上に、
まだ重要なことがあるの~??
「あのさ……」
「はい…?」
「…いや、待てよ…潤くんがOKなら、話せばいいのか?いやいや…そうじゃない…その前に言っとかないと…でも、潤くんは、俺のことどう思ってるのか分かんないし…」
ぶつぶつひとり言…
というか、自問自答?
でも、俺にも丸聞こえなのが、
何とも可愛いけど(^^;
「俺も…俺も、好きです…」
「そう、俺も好き…んっ??
えっ??今、何て言ったの?」
「だからぁ~、俺も智さんが好きですって…」
「ほ、ほ、ほ、ほっ//////」
「ふふふっ、落ち着いてください(*^^*)」
智さんは、両手を横に大きく伸ばして、
2回深呼吸をした。そして、
「ほ、ほ………ほ、何だっけ??」
「ふふふ…ホント??って聞きたかったんじゃないですか~??」
「あ!!そう!それだ!!」
「ホントですよ。
智さんが…俺もあなたが好きです…」
「潤くん…」
「智さん…」
見つめ合う俺たちが、
ゆっくりと距離をつめようとした、その時…
「…ちょっ、見えないじゃん…」
「だって…声が聞こえなくなっちゃって…」
寝室の外から、誰かの声…
まあ、誰かって、決まってるんだけどね…(^^;