第8章 麗しのタンザナイト【M×O】
【潤】
『ノーマルじゃないんだ』
『ゲイなんだ』
『潤くんのこと、好きなんだ!最初から』
↑全部勝手に男らしい決め決め言葉に
変換してやしませんか?
頭ん中、真っ白けのけだ!
智さんがノーマルじゃなかった……
……いやまてよ。
誰が智さんはノーマルだって言った?
俺が勝手にそう決めつけていた…
智さんが言ったわけでもないのに、
俺がそう思い込んで、
智さん、イコール、ゲイじゃない。
こんな図式の元、
無神経な言動をしてたんじゃないか?
「……あの…俺…そのぉ……」
「一目惚れって言ったら信じる?」
「ひとめ…って、俺に?」
少し恥ずかしそうに目を伏せた智さんの頬が、
ほんのり赤くなった。
なに?何なんだよ?
この人って、こんなに可愛かったか?
思いがけなかった彼の知られざる一面を垣間見て、
俺は心拍数の上がるのを感じ、
胸の前で、ぎゅっと拳を握った。
静まれ!!心臓ヾ(≧▽≦)ノ
「……ホントは毎日ドキドキしてたよ…
お風呂上がりの上裸な潤くんとか…
あと、朝、トイレに行く前の、
モッコリさせた感じとか…」
「モッコリって///どこ見てたんすかっ(*ノωノ)」
「あ、ごめん…でも、この1ヵ月…
大好きな潤くんと一緒に過ごす日々は…
ホントに夢の様に幸せで、
美味しいご飯も毎日食べられて…
…マジで幸せで…
だけど、幸せだけど…不幸でもあった…」
不幸っていう言葉に驚く俺に、
智さんは、思い出すように話し続ける。
手を伸ばせば届くところに俺がいて…
でも、手を出せない毎日な訳で。
悶々とする日々だったと……
「ごめんなさい…俺…そんなこと、ちっとも」
「そこなんだ!!」
「えっ??」
「一番の問題は、潤くんが俺をノーマルだって勘違いしてたことじゃない…問題は…問題なのは……」
智さんは、そう言って唇をキュッと結んだ。