第8章 麗しのタンザナイト【M×O】
「…智さん…っ?」
びっくりぽんの顔も可愛いけど
今はそれどころじゃないからな…っ
「はいはいはい!お前ら悪いね…っ…」
二人を排除するようにして
潤くんのことを引っ張り起こして立たせて
彼を背中に隠すように二人に向き合う。
「ご指導には感謝するけど…ちょと借りるわww」
ベッドの端に並んで座った二人は
意外にもニコニコしながら
『どうぞどうぞ~♪』みたいな顔してて。
なんでだ?と思いながらも
もっと戸惑った顔の潤くんの手を引いて
足早に廊下に出た。
「あ、あの……智さん…?」
疑問ですという気持ち100%の声を
後ろで聞きながら自室を目指し
急いで潤くんを押し込んで
素早くドアを閉めた。
…のは、いいものの(* ̄∇ ̄)。
なんとも気まずい空気が
あっという間に部屋に充満する。
おず…という感じで口を開いたのは…潤くん。
「智、さん?…あ、あの…なんでストップを…」
「や…それは……え、とね…」
「なんか…ダメでした?」
「…いや…違うんだけど…」
「智さんのイメージに…合わなかった?」
「んーん…そうじゃない…」
「俺っ…もっと頑張りますから…っ…だから…」
「違うっつのっ!」
勢いで振り向いたら
前がはだけたままのバスローブ姿の潤くん…
「違うんだよ…」
俺は顔を背け気味にしながら
急いで前を合わせて紐を結んでやった。
「あんなこと…潤くんに、させたくなくて…」
「え、でも……モデルがいないと智さん…」
「そんなことっ…!」
あぁ…もう……(>_< )……
「そんなことっ…どうでもいいくらいに…」
何もかも伝えよう…
「モデルなんてさせたくない理由があって…」
素の俺を見せても…
「…俺……ノーマルじゃ…ないんだよね」
辞めないでくれるかな…
「ゲイ……なの」
そばに…いてくれるかな……
「そんでね…俺、潤くんのこと…
す、すきなんだ(>ω<〃)…たぶん…最初の日から…」