第8章 麗しのタンザナイト【M×O】
なにかを言いたそうに
唇を噛みしめていた雅紀が
グッとその想いを飲み込むようにして
何個目かのサンドイッチを手に取るのを見て
ニノは小さな小さなため息をついてから
視線を俺に戻した。
「それで…俺の後任なんだけど……」
「そんなの…お前は気にしなくていいから」
「気にするよっ(>ω<〃)だって雅紀が…っ…」
「…雅紀?」
「ぜ、全然知らないヤツだと…やりにくいだろ…?」
「…え………だから?」
「だ、から……」
「…(嫌な予感しかしねぇ)…」
「だから…俺らのよく知ってる……」
「ダメだっ!」
「潤くん、は…どう……」
「ダメだっつってんだろ!」
ドサリっ!
という音がして振り返ると。
リビングの入口のところに
青ざめた顔をして
「潤…くん……」
が立っていた。
足元には
落としたと思われる本屋のビニール袋…
「なっ(*゚◇゚)…ど、どこから…聞いてたっ?」
「脳みそが…筋肉……も少し前、かな……」
「違うんだ…これはその、そゆことじゃなくて…っ」
焦って立ち上がった俺の横を
ニノがピュッと走り抜けて
「潤くんっ…頼めないかな、俺の後任っ…」
潤くんの前に立って
必死に語りかける。
「無茶なお願いだってわかってる!
でも潤くんなら……潤くんならっ…俺…っ…」
「俺が嫌がらないとでも言うのかよ」
「雅紀……」
「ニノだから…相手がニノだから続けてんのに…」
「でもっ…モデルがいないとおじさん描けないじゃん!」
「お前…大ちゃんのためだけに…俺とセックスを…?」
「ほ、ほ、ほ…他に何があるってんだよっ!」
「ニノ……俺、さ……俺…っ……」
待て待て待て待てっ(*゚∀゚*)!
今なんの話をしてるんだ…っ?
「俺の……お尻………(T-T)」
絶妙なタイミングで響いた
消えそうな潤くんの声…
「「「…ぷっ( *^艸^)♪…」」」
その可哀想なくらいの泣きそうな顔と
さりげなく片手でお尻を押さえる仕草が
たまらなく可愛くて。
「ちょお…みんな落ち着こうや」
俺は笑いながら二人に手招きをして
全員でダイニングテーブルを囲んで座ることになった。