第8章 麗しのタンザナイト【M×O】
ちょうど二つのマグカップを持って、
リビングに出て行くと、智さんも部屋から戻って来た。
「これ…」
持って来たのは、『おおのさ とし先生』のコミック。
「潤くん、見たがってたから…」
「あ、ありがとうございます!見てもいいですか?」
「もちろん♪」
俺の入れたコーヒーにゆっくり口を付ける智さんの横で、俺はドキドキしながら頁をめくった。
「なんか、照れるな~…」
……
………
…………(≧▽≦)
読み進むと、当然出てくる、
所謂『そういうシーン』
裸の男子が絡み合い、喘ぎ合い、
綺麗な絵画の様なタッチで織り成す、
男同士の艶めくシーンの数々…
こっ…、これを、智さんが…(*ノωノ)
これ、ニノさんと雅紀さんとは
ちょっと違う感じだけど…
なんだろ?
心臓がバクバクしてきて…
熱が上がってきた感じだ。
顔が熱くて、呼吸が…
「潤くん?」
「はっ、はい!!」
「大丈夫~?」
「だ、だ、大丈夫、でっす!」
見るとすぐ側に智さんの顔があって、
俺…なんでだろう?…心拍数が異常に…
「ご、ごめんなさい…俺、その…凄く…えっと…
智さんの漫画、凄くエロくて…え、いや、そうじゃなくて…」
「んふふふっ、よかった…だって、エロくなきゃ、意味ないじゃん…潤くんの反応は、書いてる俺としては、嬉しいよ~?」
「あ…、そうか…でも、智さんは、書いてて、ってうか、ドキドキしないんですか~?
ニノさんと雅紀さんの、その…」
「セックス??」
「セッ、セ、セ…」
「まあ、何ていうか、その…」
何だろ?急に智さん、口籠って…
「ほら、俺、その…ゲイじゃ、ないし~?」
「え??そうなんですか??」
「えっ??」
「ええっ?」
「俺、智さんはソッチだって思ってました!」
「……じゅん、くん…」
違ったのかな?
だって、そうじゃなきゃ、こんな素敵な…
素敵って、俺が言うのもなんだけど。
こんなエロいシーン、表現できないでしょ~?