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Jewelry♢ボックス【気象系BL】

第8章 麗しのタンザナイト【M×O】


【潤】

智さんとショッピングモールを並んで歩く…
ただそれだけのことなのに、
何でだろう~?
こんなにうきうきした気分になっちゃうのは…

スキップしちゃわない様に、気を付けて歩かなきゃ!


「あ、そう言えば…」

本屋の前を通りかかった俺は、急に立ち止まった。

「んん??何?どうした~?」

「あの…智さんの書いたコミックって、本屋さんにも売ってます~?」
「え?まあ、一応…売ってると思うけど…」
「今、見たいです!!」
「えっ?いや、家にもあるよ~」
「今、ここで見たいんです!本屋さんに並んでる智さんが書いたやつ!」

俺はズンズン中に入っていき、コミックがずらっと並ぶコーナーにやって来た。
智さんも、後からひょこひょこ付いて来た。

……えっと~…BLコーナーになるのかな~?

俺は初めて踏み込む禁断の場所を探す…
…って、大袈裟かな(^^;


「えっとぉ~……」

平積みから見て、その後棚に移動して…
隣に智さんがいて、黙って探す俺を見てる。

『これだよ!』とか、言ってくれてもいいのに~

なんで黙ってるのかな?

「…どこかな~?…大野、大野…っと…」

「あのさ…」
おずおずと、智さんが口を開いた。

あれっ?なかったのかな?
どうしよう///失礼だったのかも、俺…

「俺、一応本名じゃないっていうか…
だから、大野智じゃ、探せないよ~?」

えっ!?嘘っ!
だからなかったのか~
それじゃ探せるわけないじゃん!

「これ……」
「えっ??」

智さんが指差した、平積みされたコミック…

え……嘘っ!!

それは、そういう分野に疎い俺でも知ってる、
超有名作家…
映画化や、ドラマ化もされてるし…

智さんが、そんな有名人だったなんて!!

俺は、口を開けたまま、
息をするのも忘れて、俺より一回り小さい、
隣の4つ年上の彼を見つめた。


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