第8章 麗しのタンザナイト【M×O】
【潤】
「軽いですね〜
ちゃんと食べてなかったんでしょ、智さん」
バタバタ暴れる智さんを抱えて、
俺はベッドルームに運ぼうと………
………あれっ?ベッドルームって、
さっき二人が……?
「ちょっとぉ〜!潤くんってば…下し…って、
何で止まったの?」
ふと見れば、俺の腕の中でキョトン顔の智さん…
ちっ、近いな…(^^;
アップで見る彼は、本当に可愛らしい顔をしていて…
不意に胸が小さく跳ねた。
「いや、ベッドルームに運ぼうと思って…どこですか?」
廊下でキョロキョロしている俺に、智さんは、
「もう、朝だからいいよ…それより、俺…
シャワー、したいんだ…夕べソファーで寝ちゃったから…
…あああ!!だから下ろしてよ~!汗臭いでしょ?」
ふふ…そんなこと気にしてたのか(^^;
「大丈夫ですよ、智さん、いい匂い、しますから」
「………」
「……」ね♪って…笑顔で見つめたら、
目の前30㎝の彼は、口を半開きのまま固まっていた。
なんだか分かんないけど(^^;
ホントに面白い人…
それに……
「そう言えば、智さん、何歳ですか~?」
「………(・_・)」
「智さん?」
「へっ??なに?つ~かさ、もう下ろしてよ…」
「あ、はい…じゃ、バスルームまで…」
俺は反対側に向かって歩きだし、風呂場の前で智さんを下した。
「下着とか、持ってきますか?」
「いや、いいよ、バスローブ羽織るから」
「バス…あ、はい。分かりました。じゃあ、その間に朝食作っちゃいますね~」
「何?朝食…」
「フレンチトーストです。家でフランスパン浸して来たんで。直ぐ焼けますよ~♪」
「潤くぅ~ん…(´;ω;`)」
智さんが眉毛を下げて、ウルウルした目で俺を見てる。
そんなに好きなのかな?フレンチトースト…
智さんは、一反脱衣所に消えてから、直ぐに顔だけ出して、
「俺は、30だよ!」
と。それだけ言って消えた。