第8章 麗しのタンザナイト【M×O】
【智】
潤くんが帰っちゃった静かなリビングのソファーで
スマホを胸に抱きながら悶々としていたら。
「なーに恋する乙女みたいなため息
ついちゃってんの~(*゚∀゚*)?」
頭の上で嬉しそうな雅紀の声…
「どれどれ~?あ、ホントだ~♪
恋する乙女のサトくんだ~(*^^*)」
続いて
やはり嬉しそうなニノの声…
「ななな何言ってんだよっ、お前らっ!」
「ぇぇええ…違うの~(≧▽≦)?」
「じゃ、何を考えてたのかな~?んん~…?」
「そっ…それは……っ……」
い、言えない……
潤くんが明日ちゃんと来てくれるか心配
だなんて…(〃ノωノ)
ましてや。
潤くん♡俺のドストライクで
可愛いし面白いし料理上手だし
3ヶ月と言わずにずっと住み込んでほしい♡
と思ってるなんて…(〃ノωノ)
「ったく…わかりやすいっつのー(* ̄∇ ̄)ノ」
「なんだよ、シャワー出たんならさっさと帰れ」
「えぇ~今日は泊めてもらうよ~♪」
「明日の朝、また美味しいもの食べられるんでしょ?」
そう………その、はず(;・・)
俺はスマホの真っ暗な画面をジッと見つめた。
「そんなに心配なら聞いちゃえば~?」
「そうだよ…LINEでちゃちゃっとさ?」
「…繋がって…ない…」
「はぁっ?」
「電話番号は~?入ってんでしょ?」
呆れた声とともに
握りしめていたスマホを背後から取り上げられた。
サイトの申し込みフォームに
書き込んでくれてた電話番号
入れといてよかった……
「あ、ほら~…これじゃね(*゚∀゚*)?」
「うん『知り合いかも?』に上がってるよ」
「『松本JUN』だってぇ~…なーんか可愛い♪」
「追加、と……ほい、これで良し(*^^*)♪」
「さっさとしなさいよ~ったくドングサイったら」
あっという間に手の中に戻ってきたスマホ…
目の前には
潤くんとのトーク画面が光り輝いてる。
電話番号入れると
自動でつながるのか…(*゚◇゚)?
「美味しい朝ごはん頼んどいてね♪」
「部屋借りるよ~(≧∇≦)/おやすみぃ」
二人のアクビ混じりの声が
遠ざかっていくのを聞きながら
俺は画面を見つめて
ゴキュ…と唾を飲み込んだ。