第8章 麗しのタンザナイト【M×O】
「潤くん…帰っちゃったの~?」
振り向くと
バスローブ姿の二人が立ってて。
「あぁ、うん……なんかね、部屋のことを
ちゃんとしてくるとか…持ち物がどうとか…」
俺はリビングに戻りつつ
明るめの声を出した。
「また明日来てくれるって~(^ー^;)」
敢えて気にしてない素振りの俺に
二人は……合わせてくれたのかな?
「そっかー♪それなら良かった」
「これからもまたあの美味いメシが食える♡」
笑い合いながら
バスルームに入っていった。
キレイに片付いたリビングで
放っておいたスマホを手に取る。
こんなことになるならさ~
LINE交換、しときゃよかったな…
気軽にちゃちゃっと
探りを入れたい時はやっぱLINEじゃないと。
今どきメールなんて…
俺は一人笑って
ソファーに深々と腰を下ろした。
この仕事…
かなり特殊だもんなぁ…(^ー^;)
セックスモデルなんて使わなくても
エロ漫画を描ける人は沢山いる。
いや、むしろ…
使う方が珍しい。
しかもポーズだけじゃなくて
本番もお願いしてるっていう…(* ̄∇ ̄)ノ
だって…
やっぱ臨場感…?
脳内の妄想だけとは全然違う!
お仕置き
いじわる
あまあま
切ない系
注文を出せば
ヤツらは全部応えてくれる。
その…
躍動する身体カラダ
切なく歪む表情
甘く漏れる吐息
そのどれもが
一瞬一瞬…大切で。
ただデッサンするというより
インスピレーションをもらってる感じかな♪
写真や動画でもイケる?と思って
試したこともあったけど。
やっぱり後から観て思い出しても
全然ダメなんだ…違うんだよ…
その場の刹那的な表情や感情。
それを逃すまいと
のめり込んで捉える自分。
俺には
このやり方以外考えられないから。
もし…潤くんが戻ってきてくれなくても
仕方が…ないんだよな(T-T)
あ……ちょっと泣きそうww
こんな気持ち
ホントに久しぶり、だ……