第8章 麗しのタンザナイト【M×O】
その後、俺は洗い物や、
明日の朝食の下ごしらえをした。
正直、朝はあんまり……
いやかなり不得意な体質だから、
夜のうちに、やれることはやっておこう。
リビングもダイニングも綺麗に片付け、
明日の準備もバッチリ。
シャワーしていいって言われてたから、俺は部屋から着替えとタオルをもってバスルームへ……
廊下の途中で、あの部屋の前を通ると、
相変わらず漏れ聞こえるのは、
ニノさんの、女みたいな喘ぎ声と、
雅紀さんの、切羽詰まった攻めの言葉……
中にいるであろう智さんの声は
全く聞こえない…
「…あぁ…そこ…もっと…もっと…お願い…」
「…んっ…ニノ…お前…んぁ……最高だぜ…」
ゴクリッ…………
廊下で立ち止まっていた俺は、
我に返って慌ててその場を後にした。
俺ってば( ̄0 ̄;)
立ち聞きなんて、はしたないこと!!
シャワーをしようと服を脱いだ俺は、
驚きの事実に愕然とした。
うっ……嘘、だろ…?
あろうことか、
信じらんないけど、
あの二人の縺れ合うやらしい声で、
俺のジュニアは反応してた。
そんな、はずは……
俺が、男同士のセックス(の声)に…?
全く興味を持ったこともなかった。
ソッチの世界。
俺には縁のない世界だと思っていたし、実際に興味もなかった……はず……
それなのに、これはいったい?
男であるはずのニノさんの声に、
雅紀さんの雄の息遣いに……
俄には信じがたいが、事実は事実。
廊下に立ち止まって聞いていた二人の声に、ドキドキが大きくなった意味を。
まざまざと教えている滾りに、
俺はそっと手を添えた。
「…んっ…」
壁に寄りかかり、何度か擦りあげると、
先端からはヌルヌルの熱が溢れだす。
万が一にも、声なんか聞かれないように、勢いよく出したシャワーの下…
俺は自身を強く握り高めていった。
目を閉じて、夕飯の前に見た、
あの二人の熱いシーンを思い出しながら……
俺は達した……