第8章 麗しのタンザナイト【M×O】
【潤】
「お子ちゃまが喜びそうなもの~?
それって何かな…?パスタ、とか?」
ぶつぶつ言いながらエレベータを降りると
さっきの守衛さんが
↑だから!コンシェルジュだってば!!
笑顔で会釈してくれた。
「あ、いってきま~す(^^)」
俺も笑顔で挨拶してマンションを出た。
でも、正直安心した…
日給に目がくらんで思わず飛びついちゃったけど、
怪しいバイトだったらどうしよう?
って。
俺、こう見えて実は結構ビビりだしさ。
実はここに来るまで
智さんに会うまで、マジで不安だったんだ。
そしてこんなすげ~マンションに一人で住んでる智さんは、ビックリする位若くて…
俺より少し上くらいかな~?
しかも超可愛い…男の人に可愛いっておかしいかな?
でもホントに…
ふにゃんとした柔らかい中性的な人で
あんな智さんが女の人を組み敷いて攻めるとこ…
正直全く想像出来…
あ!!俺何考えてんだよ(;´∀`)
どうでもいい事をいろいろ考えているうちに
教えてもらったスーパーに着いた。
「えっと~、パスタは~、簡単に鮭のクリームパスタにしようかな~?
それとも、お子ちゃまっていえば、ナポリタンかな?」
パスタを手に取ると、
う゛っ(・_・)…高くね??
俺が普段買ってるとこの3割増し?
「ピーマンは~、あ、あったあった!」
あ、これもだ…3個で187円…
玉ねぎも人参も、みんな何となく高くて…
どうしようかと迷ったけど、
智さんからお金預かってるし、別にいっか~
俺なら、多分買わないけどね~
必要なものを買って、
マンションへと戻った。
「ただいま~…」
玄関を入ると、玄関にさっきはなかったスニーカーが二つ無造作に脱ぎ捨てられていた。
…お客さん、もう来てるんだ。
俺は2足の靴をきちんと揃えて、その脇に俺の靴もそろえて中に入った。