第7章 悶々ガーネット【N×S】
「あ………」
「……これ………」
強引にシャワーさせようとでもしたのかな?
翔ちゃんのTシャツを脱がせ、
上半身を、露にした二人は、
何も知らない恋人の両隣で、
気まずそうに目を反らせていた。
「電話、何だった?もういいの〜?」
「……うん…」
「やっぱ、少し飲みに行こうか?
ざっとシャワーしちゃうよ♪ニノも……」
おお、My sweet angel❤️
ごめんよ……俺……
屈託なく微笑む翔ちゃんの背中には、
おびただしい数の赤い花が、所狭しと咲き乱れていて…
やだ~、翔ちゃん、遠山の金さんみたい~♪
誰だよ〜?あんなことしたの?
↑現実逃避も甚だしい(・へ・)
「ごめんな…無理やり…」
相葉さんが翔ちゃんの肩から、バスタオルをかけた。
「えっ?なに?」
訳が分からないといった表情の彼に、岡田くんも、
「飲みは、またにするか…?」
って……
「え〜、なんでぇ?」
翔ちゃんはどこまでも天使過ぎるし。
…………頼むよ、誰でもいいから
いつもみたいに揶揄ってくれよ!
『ニノちゃんって、見かけに寄らず激しいのね〜』な~んてさ。
やらしい目で俺のこと構えよ!
こんな展開、堪えられないよ///
岡田くんと相葉さんは、さっさと二人で、狭いシャワーブースに消え、
取り残された翔ちゃんは、
何が起きたの?という顔して小首を傾げた。
ちっくしょ―――――///
どこまで可愛いんだよ(〃^ー^〃)
「翔ちゃん…今日はさ、このまま帰ろっか?」
「どうして~?」
「家でゆっくり風呂入ってさ、ビールでも飲もうよ…ね?」
「うん…いいよ~?でも、何で急に…」
納得できないという顔の翔ちゃんの肩を抱えて更衣室に戻ろうとすると、奥のシャワーブースから、顔が二つこっちを覗いていた。
……我慢できなかった俺を、
しっかり誤って許してもらおう…
んで、今度からは、十分に気を付けよう…
「ニノ~、今夜は何~?」
「今夜は、コロッケだよ!」
「マジで??俺今日、
コロッケの気分だったんだよね~」
俺たちふたりの影が、校庭まで長く伸びて、
ひとつに重なっていた。