第7章 悶々ガーネット【N×S】
【ニノ】
後ろ髪を引かれる思いで、
翔ちゃんの家を出た。
「あ〜、腰、痛てっ…」
久しぶりなのに、
流石に無茶し過ぎたのを反省しつつ、
早朝の街を通勤の人波に逆らって歩く俺には、
朝のお日さまは眩しすぎた。
………翔ちゃん……
それにつけても甦るのは、
愛しの翔ちゃんの妖艶な乱れっぷりと、
艶めいた甘い声……
あの人のあんな声………初めて聞いた…
ああああ……
俺、ついに……
ついに翔ちゃんと結ばれたんだ〜(≧▽≦)
今でも夢だったんじゃないかって思うよ。
あ…………
そうだ♪
俺はスマホの画面をタップして、
さっき仕入れたばっかの、
翔ちゃんの蕩けるような寝顔を呼び出した。
ぐふふふふ……(*ノ▽ノ)
やっぱ、夢じゃなかった❤️❤️
暫し飽きずに眺めるも、
「あ、やべっ//用意しなきゃ!」
俺は慌てて、着ていたシャツを脱ぎ捨てた。
朝は、予定していた小テストの準備で、テニスコートには顔を出せなかった。
翔ちゃんは、どうしただろう…?
気になりつつも、午前中は顔を会わせることもなく、気になった俺は、昼休みに、
『ちゃんと起きられた?
今夜も来るよね?』
とLINEした。
直ぐに既読は着いたけど、なかなかレスがない。
えっ??
なんで?
翔ちゃん……
なんか、俺、やなことした?
まさか、あの背中の………
ドキドキし出したその時、
『うん』
そう一言だけ……
もぉお――――っ////
焦らした!?
ねえ、俺のこと、焦らして楽しんだ!?
携帯を見つめつつ悶える俺に、
「あのぉ…せんせ……」
気がつくと、女テニのマネージャーが、俺の前に立っていた。
しかも、思いっきり怪しいものを見るようなかまぼこ目……
あ…やべっ(^^;
ここが職員室なの、すっかり忘れてた…