第7章 悶々ガーネット【N×S】
「翔ちゃん…」
「…な、なに?」
「あのさ…」
「あのさ、ニノ!」
慌てて俺に被せてきた翔ちゃんは、
初めて真っ直ぐに俺の目を見つめた。
「なに?俺が喜ぶこと?哀しむことなら、今は聞きたくな…」
「哀しむことじゃないよ…あの…俺さ…」
大きく深呼吸して、翔ちゃんは話し始めた。
「俺、もう、智くんの事何とも思ってないから!
さっき泣いたりして、なんか、ニノに失礼じゃん!!って…そう思って…だから、はっきり言っとこうと思ってさ」
「うん…」
「俺…今はもう、頭の中、ニノでいっぱいなんだ…
ニノの一挙手一投足に、ハラハラして、ドキドキして…
んでさ…笑うなよ~…」
「笑わないよ…」
「…あ、でも、やっぱ恥ずかしいな~」
「恥ずかしくないよ!言って!」
翔ちゃんの大きな目が
部屋のライトを映してキラキラと輝いている。
「俺、最近、ニノがすごく…なんつ~か…その…
男っぽく見えて…最初は、当たり前に俺が抱く気でいたんだけど…最近は…その、逆も…あり…かな…とか」
「翔ちゃん!!」
「へっ??」
俺は翔ちゃんの両肩に手を置いて、顔を近付けた。
「先に言わないで!俺から…」
「…ニノ…」
「翔ちゃん、俺に抱かれてください。ずっと大切にするから…ずっと変わらず、一生翔ちゃんを…」
「ニノ!!」
翔ちゃんが俺の胸に飛び込んで来た。
愛しいその身体を受け止め、しっかりと抱き締めると、翔ちゃんは顔を埋めたまま、小さな声で言ったんだ。
「ニノ…俺を、抱いてください…」
と……
翔ちゃん//////ヾ(≧▽≦)ノ
ヤバい///泣きそう…
少し身体を離して顔を覗き込むと、
翔ちゃんはゆっくりと睫毛を伏せた。
可愛い……
世界で一番、翔ちゃんが可愛い!!
俺は、キラキラ光る睫毛の下、
微かに震えるぽてっとした赤に
自分の唇にゆっくりと重ねた。