第7章 悶々ガーネット【N×S】
「……帰る」
俺は体を起こして
スーツのジャケットを手にとった。
「うん…送ってく」
ニノも立ち上がって
スーツとカバンを持った。
会計を済ませて外に出ると
酒と涙で火照った身体を
5月の気持ちのよい夜風が撫でていく。
「…ふぅぅ…」
大きく深呼吸してみると
少し心が軽くなって
さらさらと優しく
気持ちがフラットになっていく気がした。
ゆっくり歩き出しながら
「…ニノ…」
「…ん~?」
「ありがと……な」
照れくさかったけど…
昼間の女子たちが言ってたみたいに
素直に…なってみた(〃▽〃)
……あれ?
なんのリアクションもない…
恐る恐るその顔を見てみると。
夜の街を彩る色んなライトに
嬉しそうに揺れる瞳がキラキラ輝いていて…
「翔ちゃん…ダメだ、溢れるっ…」
そう言って
俺の手を引いて走り出した。
「え(⊙ω⊙)ションベン?なんで店で行かな…」
「違うよ…っ……とにかく急いで!」
「なんだよ、リバースかっ?どっちにし…」
「あぁもうっ…もっと早く走ってよ…っ」
「…ちょっ、待てって……おいっ……」
珍しく慌てるニノに引きずられるようにして
自分のマンションを目指して。
駆け込んだエレベーターの中で
ゼーコラ言いながら
俺は部屋の鍵を引っぱり出して
ニノの前に突き出した。
「もう俺、ギブだからさ…若者は走り続け……」
言葉の途中でその手首を掴まれ
壁にダン!と体ごと押し付けられて
あっという間に唇を塞がれた。
「…ふぅ…っ……ん、ニノ…ぉ……んんっ…」
熱く差し込まれた舌に
驚く俺のを捕えられ
もう片方の手で
頬から首筋を激しく撫でられて
脳と下半身がトロけ始める。
な、なんつー攻めの…(〃ノωノ)
身体からチカラが抜けてっちゃう…っ…
膝がガクガクしてきて
ニノの手が首筋から下に向かいかけた時
……チンっ……
エレベーターがふわりと浮いて。
離れていく濡れた唇を見送りながら
やっぱ、俺……
ニノになら……
そう思って
ユルく…笑ってみせた。