第7章 悶々ガーネット【N×S】
「…ニノぉ…」
「んん~…?」
なんだか…
色々こみ上げてきた。
「智く……幸せそう…だった……グスッ」
「その涙は…嬉しいから?」
「…ちょっと……悲しい(´pωq`)」
「え(*゚◇゚)……まさかの…未練?」
「違、う……幸せそうだった…俺の時より……」
「翔ちゃん……」
「潤は…わかってあげられてんだ…智くんの全部…
俺は…俺、は…グスッ…やっぱ…ニブチンだったんだ…」
「…もぉぉ…翔ちゃん…っ…」
ニノが優しく肩を抱き寄せてくれる。
そしたらもっと…悲しくなってきて…
俺は…凄く幸せだったけど…
それこそ別れを切り出される直前まで
ずっとずっと幸せだったけど…
智くんは…違った……
俺には宇宙っぽかったけど
優しい人だったから。
それは間違いなかったから。
きっと何かを我慢しながら
俺に付き合ってくれてたんだ…
もうとっくに過去のことなのに
なんだかたまらなく切なくなってきちゃって
「ニノっ…ニノぉ…っ…」
抱き寄せてくれた肩口に
目をグリグリ押しつけてビスビス泣いた。
ニノは時々「よしよし」って言いながら
俺の身体を撫で続けてくれて……
なんかそれだけで
心が優しくふるふると震え
魂が浄化されていくような気がした。
俺の嗚咽が落ち着いてくると
ニノがポツリ…と言った。
「大野さんさ…
翔ちゃんといて幸せだったと思うけど?」
肩にもたれたまま黙ってると
「凄く…翔ちゃんのこと好きだった…
大切に思ってた、と……俺は思うけどね?」
「……なんで……そう思う?」
「なんでかな…この間、少し長めに話して…
大野さんのそういう気持ち…溢れてた気がしたから」
そう……なのかな……
そうだったらいいんだけど……
幸せそうな二人の残像が
そう思いたい自信をちゃんとはくれない。
「今のさ…アナタ達の関係見てても…そう思うよ?
大野さん、幸せだったから…今でもこんな風に
翔ちゃんと楽しく話せるんじゃないの~?」
ニノ…
ホントに……男前(//∇//)♡
俺……今なら……
今なら、さ………