第7章 悶々ガーネット【N×S】
会ってみたい…
あんな見るからに『受け』みたいな
大野さんの雄の顔を知ってる人…
翔ちゃんでさえ知らなかった、
大野智の本当の姿を……
翔ちゃんをふってそっちに行くんだから、
すげ~イケメンなんだよな??
イケメンじゃなかったら、マジ、疑うか…
「ニノ!」
「え…あ、えっと…」
「どうする?行く?嫌なら無理にとは…」
「行くよ!」
「あ、行く?そう…行くのか……」
「ダメなの?」
「いや、いい!行こう!
じゃ、終わったら、一緒に行こう」
「うん…」
翔ちゃんは、手を振って走って行ってしまった。
ベンチに戻ると、翔ちゃんファンの女子マネが、
「ニノちゃん、いいな~、翔くんと仲良しで」
「仲良しって…後輩だし…
っていうかさ、そのニノちゃんって…」
「んふふ、可愛いでしょ~?ねえ~♡」
「二宮先生じゃ、堅いもんね~」
「それにしてもさ~…」
「私たち、部室の掃除に行ってきま~す!」
「お、おう…頼んだ…」
………大野さん、潤さん、翔ちゃん、俺…
へんてこな面子じゃね??
4人で顔合わせて、何話すんだよ~?
まあ、翔ちゃんが上手に回すんだろうけど…
そんな気遣いな、NGワードだらけの飲み会だけど、
それでも行こうって思えるくらい…
潤さんと会うっていうイベントは魅力的だ。
翔ちゃんは、どんな奴に負けたのか、
今更だけど確認しときたいだろうし…
俺は俺で、
大野さんを男に変える『潤さん』という人に
一度会ってみたかった…
まさか、こんなに早く実現するとは。
「ニノ~、試合形式でやるから、
Eコートの審判頼む!4ゲームマッチで」
「あ、はーい!」
今はこっちに集中しよ!
いろいろ作戦考えるのは後だな。
俺はスコアブックを持って、
Eコートに走った。