第7章 悶々ガーネット【N×S】
受付で言われた部屋に入ると、
大野さんは携帯を弄っていた。
「早かったね~♪」
ソファーにちょこんと腰掛ける大野さんは、
年齢よりもずっと若く見える。
きっと中性的な丸顔のせいなんだろう…
「座りなよ…」
「…うん…」
そこへ、定員がワインのボトルとグラスを2つ、枝豆とポッキーを持ってきた。
「白でよかった~?」
今更~?まあ、いいけど…
「ちょこちょこ定員さん来るとヤダしさ~」
「そんな、人払いまでして話す内容~?」
「え?まあ、それほどでもないかっ(^^)」
大野さんがふたつのグラスにワインを注いで、ひとつを俺にくれた。
「じゃ、乾杯♪」
「………」
「…………」
なんか、話してくれるんじゃなかったのかよ〜
えーっ??
俺の質問待ちとか?
…………
マジかよ…(--;)
「……えっと…」
「昔のことだからさ、気にしないで聞いて欲しいんだけど……」
は、話すんか~い///(-。-;)
「うん、大丈夫だよ」
ニコッと笑ってから大野さんは話し出した。
始まりは、翔ちゃんの一目惚れだった。
↑しれっと自分で言いやがって(-""-;)
当時バイトをしてたカフェに、
後から入ってきたのが翔ちゃんだった…
「びっくりしたよ~、もろ俺の理想だった。
そこだけが輝いて見えた…な~んて、言い過ぎか…」
そう笑った大野さんは、
過去を思い出しているのか、遠くを見るような目をして優しく微笑んだ。
だけどその時、大野さんには付き合ってる男ヒトがいて。
翔ちゃんは見るからにノーマルだし、
どうこうなるわけない、って諦めていた。
そしたらなんと、翔ちゃんの方から
『付き合って欲しい』と告白された。
「あん時は嬉しかったな~
夢見てるのかと思ったよ〜♪」
そう言って大野さんはワインを煽った。