第7章 悶々ガーネット【N×S】
乾杯も終わり、賑やかになった会場。
………俺たち二人の周りだけ、
ぽっかりと別世界のように静かで…
何話そうかな?
昔からこの人って、何考えてるか分かんないから、
翔ちゃんがいないと、
何を話したらいいのか分かんないんだよね~(^^;
「どうでした~?今日の研究授業…」
「え~、途中で抜けちゃったからな~」
……そっちも抜けたのかよ?(-_-;)
「あのさ。もっと前みたいでいいよ♪」
「前?」
「堅いよ~、ニノ。二人の時は敬語いらないじゃん」
「でも…まだ仕事だし…」
真面目だな~…とか言いながら、
茶碗蒸しを食べる大野さん…
あちっ…とかいって顔を顰めている。
……この人、こういうとこ、可愛いよな~
この人も根っからの、受けなのか…
「翔くんとは、どう?」
ぐっ///
急に登場した愛しの恋人の名前に、
俺は食べていた唐揚げを詰まらせかけた。
「進展したの~?」
「し、進展、って…?」
こんな焦れば、肯定しているようだよね~
「エッチ、した?」
ぶ――――っ///
今度はビールを噴き出しそうになった。
「な、何言ってんですか///」
こんなとこで出す話題!?
俺は慌てて周りをキョロキョロしたけど、
幸い、近くの先生は他の席に話しに行っていて、
俺たち二人の会話を聞かれる心配はなさそう。
でも、出来れば…いや、絶対、この話題は避けたい。
「お、大野さん、最近は、何の画、書いてるの?」
「んふふ、話題変えたいの?」
よ、読まれてる(・_・;)
「いいけどさ~、俺に聞きたい事とか、ホントはあるんじゃないかな~、って思って」
聞きたいこと?
このぼんやりした、何も考えてないような美術教師に?俺が??
↑何気にたっぷり悪意が……