第7章 悶々ガーネット【N×S】
昔読んだ姉ちゃんの絵本の中に出て来た、
馬に乗った王子様が、確かこんな顔をしていた。
そんくらい、
櫻井翔はカッコ良くて…
『君、インターハイで全国ベスト16だったんだってね?有望な新人くん、歓迎するよ!』
俺にそう声を掛けてきた翔ちゃんは、
キラッキラの王子様smileで、そう言ったんだ。
その瞬間、俺、分かったんだ…
今までの彼女たちと…つっても2人だけど。
長続きしなかった理由……
俺が見つけてたのは…
欲しかったのは…
この人だったんだって……
そんな、雷に打たれたような出会いから5年目の春…
俺は運命だと信じる人、
『櫻井翔』の恋人の座を、見事射止めたんだ。
そんな風に、やっと手に入れた愛しの王子様、
……欲しくない訳ない…
全部、隅々まで、知りたくないわけじゃない…
だけど……
踏み込めない理由が……(´-ω-`)
結果それが、翔ちゃんを焦らすようなことになってしまい、焦らされた彼が、かなり可愛くて…(*ノωノ)
二の足踏んでたはずが、
逆に勿体ぶってお預けしてる~、
みたいな格好になってたりして…
そんなつもりないよ、
俺だって翔ちゃんと最後までいきたいよ、
そう言ってあげるのは簡単だけどさ。
………もう少し、俺の中の隠されていた
説明しがたい感覚を、楽しみたくなってるんだ…
だって、翔ちゃん……
すげ~可愛いんだもん(*^-^*)
『ピンポ~ン♪』
「は~い!」
玄関のロックを解除すると、
頬が少し腫れた翔ちゃんが顔を出した。
「おかえり…」
「ただいま…少し早過ぎたかな?」
「ううん~?全然。上がって上がって」
「お、お邪魔しま~す!」
嬉しそうに部屋に入る彼の背中は、
撫でた肩も相変わらず愛しくて…
やっぱ、堪らなく可愛かった。