第7章 悶々ガーネット【N×S】
【ニノ】
大野さんと翔ちゃんの間で、
どんな言葉のやり取りがあったのか…
ホントはすごく気になるけど…
まさか、なんか身体的なお見舞い受け取った訳じゃないよね~??
……な~んて。
そんな事冗談でも聞けなくて…
俺がね、恋人の過去を
まったく気にしてないならさ、
そんな質問も軽く聞けちゃうんだろうし、
そんなやきもち妬いちゃってるスタンスも、
案外有効な手法になるんだろうけど…
そこまで分かってはいるけど。
……余裕がないんだ、実は俺。
翔ちゃんが、俺のこと、
ちゃんと好きだって…
今は俺だけが、翔ちゃんの恋人なんだって…
そうは思うけど…
あの人のこととなると…
大野さんが絡んでくると、
どうしても平常心が揺らいで、
普通じゃいられなくなる…
大野智……
不思議な人で、
凡人の俺には理解できない宇宙を持ってる人で
そんな、
真似できない魅力がある人だから…
そんで翔ちゃんはさ、
ボールの痕が少し腫れてて。
そこにはっきり書いてある。
『俺とエッチしたい』
って……
気付いてはいたよ~?
翔ちゃんのそういう気持ち。
ちゃんと俺のこと好きになってくれて、
それでその延長に、
所謂『そういう事』があってもいいんじゃないか?
……分かってる。
分かってるし、嬉しい…
だけどね。
俺、今までエッチって、正直そんなに経験ない。
付き合っていた女の子と、
流れでそう言う事になり、最後まで行ったのは
高校1年生のとき。
それから、会うたびじゃないけど、
何度か回数重ねたけど…
俺、そんなにのめり込めなくて。
結局半年くらいで別れちゃって…
その次につきあった子とも長続きはしなかった。
で、初めてがむしゃらに勉強して進んだ先に、
翔ちゃんがいたんだ。
その出会いはまさに、
俺にとって、衝撃的だった。