第7章 悶々ガーネット【N×S】
ノリノリだった気持ちが
プシュ~…と音を立てて萎んでいくけど
まだ熟睡してないかも…と思って
僅かな期待を胸に急いでベッドに上がって
「…ニノ…」
身体をぴとっと寄せてみた。
「…ん…」
小さく吐息を漏らしながら
モゾモゾとこちらを向くから
首の下に腕を入れて
キュッと抱きしめてみたけれど。
なんだか幸せそうな顔をしたまま
目を開けようとはしてくれなくて…
半分寝かかってるのを承知で
その柔らかな唇に自分のをそっと押し当てると
「…んふ…」
ため息をつくように
少しだけ笑い声が漏れてきて
顔を離して見てみると
僅かに微笑んでるような感じで
クークーっていう寝息を立てていた。
マジか…(//□//)
まぁ…ね?
今日ヤりましょうとは
言ってませんでしたけど?
そろそろどうですか?という
合意もとってませんでしたけど?
さっきテレビを観ながら
ソファーでビール味のキスをした時は
二人とも大いに盛り上がって(〃▽〃)。
なんとなく
そうなりそうな予感バリバリ…
だと思ってたのは
俺だけだったみたい…
ソファーのキスで盛り上がったのは
気持ちだけじゃなくて
その……コイツも、なんだけどな…//∇//)
仕方ない、息子よ…
もう少しの辛抱のようだ……
その晩
愛しい人とギンギンの息子を
同時に抱きしめながら
俺は悶々とした一夜を明かしたんだ。
でも…
息子の辛抱は
もう少しなんかじゃ全然なくて。
平日にご飯を食べに行っても
土曜日に泊まりに行っても
甘めの時間は流れてるけど
本当の甘い時間はなかなか訪れてくれない。
ニノだって俺との時間は嬉しいみたいで
ハグやキスは拒まない…つか……
むしろ…せがまれるくらいのもんなのに。
ここ数週間
何やかやとはぐらかされて
うまいことエッチは避けるんだよな…
そう…あれはもはや避けられてると言っていい。
なんでかなぁ…
心の準備ができてないのかなぁ…
それはそれで…可愛いんだけど( *^艸^)♡
これって
恋人として順調…って言うのかなぁ…?
そんなことを考えていたら。
「翔ちゃんっ、危ないっ!」
っていう声と同時に
黄色いボールが俺の顔面を直撃した。
あ……いま、部活の時間じゃん……