第7章 悶々ガーネット【N×S】
そのあとの数日は
学校の廊下と部活で軽く話す程度…
それぞれの家に帰ってからのLINEでは
『教員室を出たとこで話してた女の先生
きっと翔ちゃんのことが好きだと思うよ』
『テニスしてる時の翔ちゃん、やっぱカッコいい』
『早く明日にならないかな~翔ちゃんの顔が見たい』
なーんてことをバンバン書いてきて
軽い嫉妬や可愛いセリフで
俺のことを悶絶させるクセに
学校で会うと
やけによそよそしくて
あまり微笑んでもくれなくて。
本当に知られるのが怖いのか
俺の気を引くテクニックなのか
それとも…なんかの罰なのか……
ようやく迎えた土曜日。
この日は午後練。
練習を終えた俺たちは
先週みたいに時間差で更衣室へ。
少し間をとって更衣室のドアを開けると
数人の他の運動部の顧問の先生たちと
相葉さんと岡田さんがいるだけだった。
ニノ…行ったんだな…
二人だけの秘密がなんとなくくすぐったくて
思わず口元を緩ませながら
「お疲れさまです~♪」
自分のロッカーの前に立つと
ちょうど着替え終わった他の先生たちが
「お疲れさま~!」
「お先です♪」
ガヤガヤと出ていって
一気に静かになった。
よし、俺も…
早く着替えて…いざ、愛の巣へ(≧∇≦)/ナンチッテ…
また一人
着替えながらニヤニヤしちゃったら。
「あーあ…幸せ丸出しの顔(*^^*)♪」
「わかりやす…( *^艸^)」
何やらボソボソとした会話が…
見ると
いつぞやのように。
岡田さんと相葉さんが
ニマニマした顔で俺のこと見つめてて
俺と目が合うと
「一緒に帰ればいいのに~…」
「どうせ同じ部屋に入るのにね…」
更にヤラシい視線を投げながら
少し大きめの声を出した。
…え(◎-◎;)…なに?
何か勘づいてる?
なんでだ?
部活では最低限の会話しかしてないし
むしろそれが寂しすぎるくらいだし
そんな…
恋人同士の付き合ってますオーラ
出してないよね~?
「な、なんのことかなぁ~(*゚∀゚*)」
すっとぼけながら
手早く着替えを進める。
一刻も早くここを出なきゃ!