第6章 青春のシトリン【N×S】
でも、別れた…
一方的に翔ちゃんが別れを告げられたって、
本人が笑ってそう言った。
それを聞いた俺は、
聞いてしまった俺は…
諦めようと押し込めていた気持ちに火が付いた。
そして、ついには、
翔ちゃんを追いかけて高校教師にまでなった。
ゲームのクリエイターになるっていう夢も
簡単に捨て…
一番向いていないじゃないかっていう、
『先生』と呼ばれる仕事に就いた。
全ては、片想いを成就させるため。
……俺は、ゲイじゃない…はず…
なのに、俺は……(゜゜)
翔ちゃんとの眩し過ぎる日々が…
どうしても忘れられなくて…
そして……
念願かなって、好きな人の近くに来た。
………『近く』なんていうレベルじゃないくらい、
『近くに』…
コートで1つのボールを追いかけて、
一緒にご飯を作って食べ、
ひとつのベッドで寝て…
↑残念ながら寝ただけ…(;_;)
そんな中で、
俺の中で夢だったことが、
現実になりつつある……
ある違和感が
確信に変わりつつある…
あの人は……
櫻井翔は、俺のこと…
「ここに居たんだ~」
「わああぁ//////」
びっくりして椅子から転げ落ちそうになって
何とか立て直した。
不意に背中から翔ちゃんに声を掛けらて、
跳び上がるほど驚いた。
「新しいボールが届いたから、半分部室に入れといたよ~」
「ボール?」
「大会前にNewボールにしたいって、岡田くんが言ってたから…」
「あ、そうそう!そうだった!!思い出した」
翔ちゃんが俺のことをニコニコしながら見ている。
今この瞬間答えが見えた。
モヤモヤしてた霧が晴れた。
俺は気持ちを伝えたい。
あなたのことが好きなんだ…と…