第6章 青春のシトリン【N×S】
「はあ~、スッキリした…」←色んな意味でな!
さっきの衝撃的な白桃には、
全く惑わされてない振りで、
↑本当は120%惑わされた人…
パジャマにしてるスエットとトレーナーでリビングに行くと、翔ちゃんはソファーで眠っていた。
「…しょお…ちゃん…?」
声を掛けても、起きる気配も無くて…
「流石の櫻井先生も、新学期で気を張ってたから疲れたのかな~?」
そう言いながら、俺は冷蔵庫からビールを出して来て、プルタグを引いた。
テレビには、ちょっとこの時間からどうなの~?
っていう内容のバラエティー番組…
俺は翔ちゃんが起きちゃうといけないから、
リモコンで消すと、
一気に部屋の中には静寂が訪れた。
………
シーンとした室内…
外からは電車の音と、大通りの喧騒が、
僅かに届くだけだ。
翔ちゃんが眠っているソファーの端っこに寄り掛かって、ビールを喉に流し込んで…
そっと翔ちゃんの寝顔を盗み見た。
……綺麗だな~…
睫毛が長くって…
それに……それに………
釘付けになってしまった真っ赤な唇は、
薄く開かれていて、
微かな寝息が聞こえて来た。
柔らかそうで…
弾力があるのかな~?
……触れてみたい…
翔ちゃんは、俺の邪な魂胆にも気づかずに
深い眠りの底に居る。
ちょっとだけなら……
ほんの少し触れるだけなら…
きっと起きないよ…な?
………(・_・)…
眠る彼にそっと近づいた俺は、
間近で愛しい人の顔を見つめた。
人差し指で、魅惑的な紅にそっと触れても、
ピクリともしない。
いける!
………誘うようなその唇に、
俺はゆっくりと自分のを重ねた。
そっと触れるだけの俺と彼とのファーストキス…
そこから、
翔ちゃんの体温が流れてきて、
俺は身体が震えた。
大好きだっ//////
大好きなんだよー!!
「ん…」
翔ちゃんの起きる気配に、
俺は慌てて身体を離した。