第6章 青春のシトリン【N×S】
「…ニノも飲むぅ~っ?ビール!」
ニノの現状が知りたくて
大きめな声で聞いてみたら
「風呂…入ってきちゃうわ~…」
小さめな声が返ってきて
すぐにパタン…ていう
リビングのドアが閉まる音がした。
キッチンから出ていくと
やっぱりリビングは空で
キチンとたたまれた洗濯物が
静かに置かれていて…
「ふぅ~~……」
首にかけたバスタオルで
頭をガシガシ拭きながら
ソファーに深く沈んだ。
なんだよ~…
少し気まづくなっちゃった…?
んなこたないよな?
別に俺のことが好きなわけじゃないんだし
ゲイだって知られることが嫌なだけで…
…要するに。
俺が気にしないように
そのことには触れないように
やっていけば…いいんじゃね?
……………(´•ω•`)ハァ
笑ってくれりゃよかったのに。
『翔ちゃ~ん♪社会人になって
ちょっと弛タルんできたんじゃな~い( *^艸^)?』
とか言ってさ…?
いつものニノみたく
ケラケラ笑って軽口たたいてくれたら
俺も…いつもみたいに返したのに……
グビ…とビールを流し込みつつ。
ま、だいじょぶだろ?
さっきの俺らの会話を振り返っても
別に大した不自然さはないはず…←ホントに?ww
ニノが風呂から出てきたら
一緒にビール飲みながらテレビでも観て
笑って他愛ない話をして
足りないようならもう一缶飲んで…
そんで明るく『おやすみ♪』って言って
寝ちゃえばいい(≧∇≦)b
それで…元通り。
ニノに女子の気配がなくても
もう俺も何も言わない。
誘ってくれたら
喜んでメシを食いに来る。
うん(*^^*)それでだいじょぶ…なはず♪
久しぶりにちゃんと動かした体が連れてくる
心地よい疲労感にふわふわと全身を委ねながら
俺は更に深く
ソファーに身を沈めていった。