第6章 青春のシトリン【N×S】
「ホント??…でも、そんなに何から何までじゃ、
遠慮のない男だって思われないか~?」
「ふふふ、今更じゃん♪」
「えーっ!!今更?今更って、そんな俺、
ニノに対して遠慮の欠片も無かったかな~?
そんなにふうに言われるなんて、ちょっとショッ…」
またごちゃごちゃ言い始めた翔ちゃんは放置して、
俺は、翔ちゃんのための下着だのスエットだのを出しに、隣の部屋に入っていった。
えっと…
新しい下着は…っと。
………あ…(^◇^)…これ…
サークルの後輩が誕生日にくれたけど、
ちょっとどうかと思って履けないでいたやつ。
小さめの赤いビキニ…
しかも後ろ結構食い込み気味の…
………( *´艸`)♡♡
「ハイこれ!先入っていいよ~」
スエットの下に畳んで隠した『ソレ』には気付かない翔ちゃんは、キラキラsmileで着替えを受けとり、
「じゃ、遠慮なく!」
翔ちゃんは俺の手渡した着替えを手に、
嬉しそうに風呂へと向かった。
さて。
洗濯ものでも畳んじゃお~っと。
『赤いソレ』を見た時の翔ちゃんの反応を想像して、自然とだらしなく緩む頬を、意識して引き戻しながら、タオルを畳んだ。
シャワーの音と、翔ちゃんの鼻歌を聞きながら、
なんだか俺、奥さんみたいじゃん♡
そう思うと、
さっきよりもっとにへらぁ~、っとにやけてしまった。
シャワーの音が止んでしばらくたっても、
翔ちゃんはなかなか出て来なくて…
やっと出て来た彼は、明らかにキョドっていた。
あの『赤』に戸惑っているのがありありだ。
「着替えたのは、一緒に洗っちゃうから、
そのままにしといていいよ~(^^)
「あ、うん…」
目を反らす翔ちゃんが、犯罪レベルで可愛い♡
風呂上がりの濡れ髪から滴る雫が……
「ニノ…下着のシュミ、変わったよな…」
目を合わせないまま、翔ちゃんが言った。
「あ~、あれね。貰ったんだけど、履く機会がなくて…どうだった?」
敢えて、何も企んでない振りで聞いてみた。